脳卒中 STROKE

今までは、一度死んでしまった脳細胞は戻らないとされていた。今までは、一度死んでしまった脳細胞は戻らないとされていた。

脳の血管に障害が起こりその先の脳細胞に充分な血液やエネルギーが届かなくなると、約3~6時間で脳細胞は死んでしまいその機能は戻らないとされています。

しかし、神経や血管、骨、軟骨などに分化(変化)できる幹細胞が脂肪や骨髄の中に存在することが明らかになり、それを培養し数を増やして血管内に投与する事で、一度機能しなくなった細胞が復活し脳機能の後遺症を改善させることが分かりました。その後脳血管障害の再生医療の研究が進み、安全性と効果が認められ、今、世界でも注目されている治療法となりました。

脳卒中は脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の
3つのタイプに分けられます

脳卒中とは頭の中の血管に起こる病気で、『がん』『心蔵病』についで、日本人の死亡原因の第3位、寝たきりになってしまう原因の第1位の病気です。
脳卒中という言葉は、「突然悪い風にあたって倒れる」ことを意味します。血管の障害とは血管がつまったり、破れたりすることです。脳の機能が失われると、手足の麻痺や言語障害、視野・視力の障害などさまざまな症状が現れます。
脳卒中には、脳の血管が詰まる『脳梗塞』と脳の血管が破れて出血する『脳出血』、『くも膜下出血』があります。

脳卒中

脳梗塞

イメージ:脳梗塞

脳の血管がつまったり、狭くなったりして血流が悪くなります。

脳梗塞のレントゲン図

脳出血

イメージ:脳出血

脳の中の細かい血管が破れて出血します。

脳出血のレントゲン図

くも膜下出血

イメージ:くも膜下出血

脳の表面の大きな血管にできたコブ(動脈りゅう)が破れてくも膜の下に出血します。

くも膜下出血のレントゲン図

心原性
脳塞栓症

イメージ:心原性脳塞栓症

心臓でできた血の固まり(血栓)が脳の血管まで流れて詰まるもの。

アテローム
血栓性梗塞

イメージ:アテローム血栓性梗塞

脳の太い血管にできたアテローム(コレステロールなどの固まり)が破れ、そこをふさぐ血小板が集まって血栓ができて詰まるもの。

ラクナ
梗塞

イメージ:ラクナ梗塞

高血圧などにより、脳の細い血管が狭くなって詰まるもの。

坂本くん「他の脳卒中についても詳しく」

脳の栄養する血管で、脳中を穿通する細い動脈(1mmにも満たない)が動脈硬化を起こし血管の中が狭くなり、最終的にその血管に血栓が出来詰まり、閉塞して生じる脳梗塞です。
ラクナ(lacuna)とは小さい空洞という意味で、脳梗塞としては直径15mm未満の小さい梗塞です。高血圧が梗塞の危険因子としてハイリスクとなります。この細い動脈は高血圧で血管壁が弱くなり破れてしまって出血を起すことがあります。
脳梗塞の大きさが小さいとはいえ、症状が進行してしまい麻痺が強く残ってしまうことがあります。脳梗塞の中で全体の1/3程度を占めます。

主な症状

  • 比較的ゆっくり進行
  • 意識障害は少ない
  • 呂律困難
  • 上下肢の痺れや運動障害など

診断

  • 頭部CT
  • MRI
  • MRA
  • エコー
  • 凝固系や線溶マーカーなどの採血

治療法

脳梗塞を発症してから4~5時間以内であれば、T-PAという血栓溶解剤を使います。発症後の時間が経過していたり、T-PAの効果が認められない場合にはカテーテルや手術を行います。

比較的太い動脈の内壁にコレステロールが沈着(プラーク)して血管の内側の壁が厚くなっている状態をアテロームと呼びます。このアテロームが原因で血管内腔が狭くなり、血栓が出来て血管を閉塞することで脳梗塞を起します。
ラクナ梗塞の場合と異なり、内頚動脈や中大脳動脈など大きな動脈にも生じる病変です。食生活の欧米化によりこのタイプの脳梗塞が増加しつつあります。危険因子として高脂血症、高血圧、糖尿病、肥満、喫煙などがあります。
これらの危険因子が近年増加していることより、この病型の脳梗塞は増加しています。脳梗塞の中で全体の1/3程度を占めます。

主な症状

  • 大きな血管が詰まるため片側の手足の麻痺
  • 視力低下
  • 意識障害
  • 半身麻痺
  • ろれつ困難
  • めまい
  • 嘔吐

などが生じることが多い

診断

  • 頭部CTで脳出血を否定しMRIで診断
  • 心エコー
  • 頸動脈エコー
  • 心電図
  • 凝固系
  • 線溶マーカーといった採血

など

治療法

できるだけ早期にT-PAという血栓溶解剤を使います。重度の狭窄があるときはカテーテルで血栓除去を行います。

不整脈である房細動や心臓弁膜症、心筋梗塞などで心臓の動きが悪くなり、心臓内での血流の停滞した部分に血栓ができて、これが遊血栓のかたまりとなり、血流に乗って脳動脈を詰まらせて閉塞します。血栓が大きいことが多く、そのために脳梗塞の範囲が大きくなることがあります。心房細動は高齢者に多く、85歳以上になると、男性11%、女性9%のかたが心房細動を持っていると言われています。
近年高齢化社会となり、このタイプの脳梗塞は増加しています。脳梗塞の中で1/3を占めます。

主な症状

  • 半身麻痺
  • 激しい頭痛
  • めまい
  • 感覚障害(力が入らない、しびれる)
  • 意識障害と言語障害(しゃべりづらい)
  • 食べ物が飲みにくい
  • 突然の視力障害
  • 歩行障害

診断

  • 頭部CTで脳出血やくも膜下出血の否定
  • MRI
  • MRA
  • 心エコー
  • 頸動脈エコー
  • 経食道心エコー
  • 凝固系
  • 線溶マーカーといった採血
  • 心電図
  • ホルター心電図

など

治療法

できるだけ早期にT-PAという血栓溶解剤を使います。効果がない時はカテーテル術を行います。早ければ回復も期待できます。薬物療法として、ワルファリン、新規経口抗凝固薬のNOACがあります。

脳出血とは、脳の血管が裂けて(切れて)、脳内に直接出血することです。出血した血液は固まって、血腫となります。この血腫により脳を圧迫したり、脳細胞を壊したりして脳の障害を起こします。
出血の原因は、長年の高血圧あるいは動脈硬化によって、弱くなった血管が破れることで生じます。また、高血圧性脳出血とよばれ、全体の約8割を占めます。細い動脈に起こることが多くの、脳の中心部分によく発症します。
また、脳動静脈奇形という脳血管の先天的な異常であったり、妊娠や血液が固まりにくくなる病気が原因だとも考えられます。

主な症状

  • 半身麻痺
  • 頭痛
  • めまい
  • 嘔気
  • 意識障害
  • 呂律困難
  • 歩行障害

など

診断

  • 頭部CTで容易に診断可能

被殻出血

頻度が高い 約50%。比較的症状は軽度ですが、基底部まで障害が及ぶと半身麻痺や感覚麻痺など発症。死亡率は高くはありません。

視床出血

約30% 感覚障害、半身麻痺などが見られます。合併症として急性水頭症がよくみられる。

皮質下出血

約10% 比較的症状は軽く軽い意識障害、麻痺など。

小脳出血

約10% めまい、嘔吐、頭痛、歩行障害、運動失調などがあります。

脳幹出血(橋(きょう)出血)

約10% 呼吸障害、意識障害、運動麻痺、眼球運動障害などがあります。昏睡状態になって死亡するケースもあります。

治療法

血圧のコントロール、開頭術や内視鏡手術で血腫除去を行う

くも膜下出血とは、脳の動脈の分岐部にできた膨らみ(動脈瘤)が、破裂することによって生じます。
脳動脈瘤の成因は明らかではありませんが、先天的に動脈分岐部の壁に弱い部分があり、高血圧や加齢による動脈硬化により動脈瘤が発生すると考えられています。瘤が破裂すると、激しい頭痛、嘔吐がみられることがあり出血が多い時は意識障害を起こすことがあります。
くも膜下出血の恐ろしいところは、数日以内に再出血をおこす危険性が高いことにもあります。再出血は最初の出血から24時間以内(特に最初の6時間以内)に一番多く、再出血を起こした場合の死亡率は約50%と言われています。くも膜下出血は、脳梗塞・脳内出血と異なり、高血圧や糖尿病などの既往歴の有無に関係なく、健康な方にも突然起きてしまうことのある怖い病気です。動脈瘤が破裂してしまうと、1/3の方は残念ながらお亡くなりになり、1/3の方には麻痺などといった後遺症が残ってしまいます。破裂する前にこの動脈瘤を診断できれば予防することができます。

主な症状

  • 激しい頭痛
  • 嘔吐
  • 意識障害
  • 運動障害
  • 1ヶ月以内に約半数の方が再出血するといわれている
  • 3大合併症として 再出血 脳血管攣縮 正常圧水頭症

診断

  • 頭部CT 3D-CT
  • MRI
  • MRA
  • 脳血管造影(DSA)

など

治療法

開頭術、クリッピング、コイル血栓術、正常圧水頭症に対してはシャント術

脳卒中は「寝たきり原因」の第1位

円グラフ:国民生活基礎調査の概況

国民生活基礎調査の概況

脳の障害を受けて後遺症が残り、上肢や下肢の運動麻痺が出たり、考える力や自発力が低下して、独りでの日常生活が困難となることで、寝たきりの最大の原因となっています。

脳卒中の高い再発率に注意

脳卒中は初めは軽症であっても安心してはいけません。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害は、発症して治療やリハビリを行った後に、再び症状が出てしまう、いわゆる再発するリスクが高いとされています。
遺伝的に脳血管に問題が生じやすい体質の方や、生活習慣や食生活に問題がある人は、一か所の病巣を治療したところで、脳の中の別の血管が詰まったり破裂したりしてしまう可能性が高いためとされています。

イラスト:脳卒中の男性

脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の再発率

1年以内 5年以内 10年以内
脳梗塞 10% 35% 50%
脳出血 25% 50% 55%
くも膜下出血 30% 50% 70%

脳梗塞は初めは軽症でも、再発が重なるたびに症状が深刻化し、重度の後遺症が起きやすくなります。
たとえ完治したとしても、その内の20~30%の人が3年以内に再発すると言われています。

Dr.サカモトが感じた「現実の壁」

脳梗塞や脳出血などの脳卒中が早期に発見され、適切に治療を受けたとしても、ある程度の期間が過ぎると機能障害などの後遺症が残ることがよくみられ、従来の治療方法では後遺症に対する治療はリハビリテーション以外にないのが現実です。

私も長い間、脳卒中後のリバビリの治療を行なってきました。脳卒中発症後数ヶ月の急性期には、しっかりとリバビリすることで、麻痺の改善はある程度見込めますが、急性期を過ぎた慢性期になると、ほとんど機能の回復は見込めず、たくさんの苦い思いをしてきました。慢性期以降もリハビリを継続して行わないと徐々に筋力が落ちて、関節も固まり動きが悪くなってしまいます。
そんな時、この幹細胞による再生医療に出会い、脳卒中による後遺症を少しでも改善できる可能性を感じました。

写真:リハビリ

では!ここからが本題 Dr.サカモトが解説します!(理事長)脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の再生医療とは?

最近少しずつ認知されてきた再生医療ですが、以前から脳梗塞や脳出血に対する再生医療の治療は世界中で研究されており、現在では新たな治療法として注目されています。

この再生医療で劇的に元の身体に戻るというものではなく、車椅子の方が杖で歩行できたり、杖歩行していた方が、杖なしで歩行できたり、呂律障害や麻痺の改善により少しでも日常生活の向上を目指すもので、今、後遺症で苦い思いをされている方にとっては大きな希望を見出していると思います。
また、再発率の高い脳卒中の予防としても注目されている治療法です。

こんな方が治療対象となります

  • うまく話せない
  • 痺れや麻痺をなんとかしたい
  • もうこれ以上の機能の回復が見込めないと診断を受けた方
  • リハビリの効果を高めたい
  • 脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の再発を予防したい

幹細胞治療(再生医療)で
期待できる治療効果

1.身体の機能回復

ご自身の脂肪幹細胞の投与によって、脳細胞や血管の再生により一度壊れた脳神経細胞を修復再生することで、失われた身体機能の回復が期待できます。
また、脂肪幹細胞の抗炎症作用により、痛みや不調の緩和も期待できます。

写真:双葉

2.リハビリの効果を高める

再生医療と並行してリハビリを行うことで、より身体機能の回復の効果は高めることが出来ます。
発症から数年経過した方でも再生医療によって、今まで動かせなかったところが動かせるようになることが期待できます。
当院では理学療法士、作業療法士、言語療法士、柔整・鍼灸、トレーナーによるチーム体制でそれぞれの専門職を生かした脳卒中の後遺症に対するリハビリテーションの訓練や指導も行えますのでご相談ください。

写真:リハビリ

3.再発予防

脳卒中は、後遺症の問題もありますが、再発の確率が高いことにも気をつけなければいけません。
再生医療により脳梗塞や脳出血を起こした部位だけでなく、今後、脳梗塞や脳出血が起こるかもしれない傷ついた血管を修復することで再発を予防します。

写真:カウンセリング中

脳卒中に対する再生医療の効果

脂肪幹細胞による
脳卒中の再生医療

脳卒中の再生医療では脳神経細胞の再生と、脳血管の再生の二つの作用がとても重要となります。それに伴い脳卒中の再発予防にも有効とされています。

イラスト:脳内イラスト:脳内
写真:レントゲンに指をさす医者

1脳神経細胞の再生

脂肪の中にある幹細胞は神経や血管、骨、軟骨などに分化(変化)し、投与された脂肪幹細胞は壊れた脳細胞の周囲まで到達し、脳の神経細胞を再生させ、また、損傷部位を修復し活性化させます。

写真:血管の説明をする医者

2血管再生

骨髄や脂肪の中の幹細胞には血管を再生させるチカラがあります。これを利用して、足、脳、心臓などの血行障害の再生医療が国内でもいくつかの医療機関で行われています。
当院では脂肪の幹細胞を利用して脳内に新しい血管を再生し脳血流を改善させます。そうすることによって、脳神経細胞の再生促進および損傷部位の機能回復が期待できるのです。

脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の再発予防

脳卒中は脳血管障害によって引き起こされることが多く、今後、脳卒中が起こるかもしれない傷ついた血管を修復することで再発を予防します。
脳卒中の再発率は高く、再発のたびに重症化するとされているため、脳卒中の再生医療による再発予防はとても注目されており重要であると考えられます。

写真:食事中の夫婦

当院の再生医療の強み

最近の研究結果では、脂肪由来の幹細胞の方が骨髄からの幹細胞より臨床成績が良いとの臨床報告もあり、当院では、この最先端の脂肪幹細胞による脳血管障害の再生医療をいち早く取り入れた国内でも数少ない医療機関であります。
また、骨髄からの幹細胞採取よりも痛みが少なくて済むというのも特徴です。

脂肪幹細胞を使った治療法 骨髄幹細胞を使った治療法
期待できる効果
治療の痛み ほとんど痛みなし 骨髄穿刺に伴う痛みあり
入院 必要なし 必要なし

治療開始は早ければ早いほど、脳機能の回復が期待できます!

脳卒中再生医療の治療結果は、患者さまの病状や身体の具合によって個人差があります。しかし治療を始めるのが早ければ早いほど、良い結果が出ています。治療を受けるかどうかを迷われている方は、出来る限り早めにまずはご相談ください。

写真:双葉の成長

どれくらいで効果が現れるの?

当院では通常、3~4週間間隔で合計3回の投与治療を行っており、約3~4ヶ月が治療期間の目安です。
治療後1週間で変化が出る人もいれば、1年くらいかけて徐々にその効果が出てくる人もいます。
個人差がある為、一概にはどのくらいの期間というのは言えませんが、これまでの患者様の症例からも、治療開始から約1年間はリハビリを継続していただくことをおすすめしています。

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