-
- 糖尿病
- 変形性膝関節症
- 変形性股関節症
- ひざ
- 美肌
- 股関節
- 美容
- 幹細胞治療
幹細胞治療という言葉を聞いたことがあるでしょうか。実は現代の医療で最先端の、副作用などがほとんどとなくそれでいて大きな効果が期待できる治療方法なのです。この幹細胞治療はあらゆる分野で活用され始めていますが、美容の世界などでも積極的に取り入れられています。そこでここでは、幹細胞治療とはいったいどういうものなのか、そしてどのような効果が期待できるのかという点について解説して行きます。 こちらもご参照ください 幹細胞治療とは何か? そもそも幹細胞治療とはどのようなものなのでしょうか。 幹細胞治療とは再生医療の一種 再生医療という言葉は聞いたことがあるでしょうか。幹細胞治療とは再生医療の1つの方法です。 人間は約60兆個の細胞で構成されていますが、その細胞の中に幹細胞というものがあります。幹細胞とは、細胞分裂の元になるもので、いわば細胞の母体です。再生医療とはこの幹細胞を身体に注入することで、身体の欠落している部分を再生させたり、減少して来ている部分を補ったりする、最先端の治療法です。既存の医薬品では治療が困難な病気やケガ、あるいは治療法が確立されていない病気に対して、効果をもたらすものとして注目されています。 近年、日本人を始め人間の平均寿命は大きく伸長しましたが、同時に細胞の老化が元となっている慢性的な病気も増えており、このような病気を完全に治す治療法はまだ見つかっていません。しかし再生医療であれば、そのような今まで医師が治療をあきらめていた病気の場合でも、治療を施すことができるのです。 ただし再生医療や幹細胞治療はどのような病院、どのような医師でも行うことができるものではありません。再生医療は使い方を間違えるととんでもない悲劇を巻き起こす可能性があります。したがって、再生医療や幹細胞治療を行う場合には、その実施機関や実施方法について、法律に基づく厳しいチェックがなされます。ですから再生医療や幹細胞治療を受ける場合には、治療のための治療計画を厚生労働省に提出し、認可されている医療機関を選ぶことが非常に重要です。また再生医療や幹細胞治療を行う医師にも高い専門知識と十分な経験が必要です。この点にいても、治療を受ける場合には事前の確認が必要でしょう。 幹細胞治療とは注射で幹細胞を注入する方法 約60兆個の細胞からできあがっている人間の身体ですが、しかしその最初はたった1個の受精卵です。この受精卵が細胞分裂を繰り返し、身体のあらゆる部分の形も機能も異なった多様な細胞に成長します。皮膚、脳、心臓、手足は全く違う臓器であり身体の一部ですが、元は1個の受精卵だと思うと非常に不思議でしょう。このような細胞が多様な組織や臓器に変わっていくことを「分化」と言います。 しかし細胞には寿命があります。細胞の寿命が来ると、その細胞は分化することも、増殖することもできなくなり、やがて死んでしまいます。たとえば、皮膚から垢が出ますが、これは皮膚の細胞が死んで、身体からはがれ落ちていくことです。しかしそれでも皮膚が一定の状態を保てているのは、古い皮膚が死んでも、また新しい皮膚の細胞が補充できているからです。このような分化して完全に身体の臓器や、皮膚、や血液などに分化し終わった細胞を「体細胞」、これから多様な分化を行う細胞を「幹細胞」と言います。 幹細胞には「体性幹細胞」と、受精卵から培養して作られる「ES細胞」、人工的に作成「iPS細胞」があります。 この3つの中で現在最も再生医療に使われているものが「体性幹細胞」です。体性幹細胞は人間の身体の中にある細胞が元になっているので、使用しても身体に副作用を起こりにくく、最も治療に応用しやすいものです。さらに体性幹細胞にもいくつか種類があります。その代表的なものは「間葉系幹細胞」です。そして間葉系幹細胞の中でも、最も治療に多く用いられているのものが脂肪から抽出されたものです。これを脂肪性幹細胞とも言います。 脂肪性幹細胞は、ES細胞やiPS細胞などの幹細胞に比べ発がんのリスクが非常に低く、また身体の中から取り出すことも簡単で、患者に負担をかけないため、現在どんどん医療の最前線で使われています。 具体的に脂肪幹細胞を使った幹細胞治療はどのようなものかと言うと、聞いてしまえば意外に簡単です。それは身体の脂肪を採取し、その中の幹細胞を増やして、また身体の中に戻してやり、欠落した組織や減ってしまった細胞をそこから増やして、再生させる方法です。 このように治療行為としては非常にシンプルなので、幹細胞治療は入院の必要さえありません。基本的には日帰り治療で可能な方法です。 幹細胞治療の効果は?どのような種類がある? では幹細胞治療はどのような悩みに効果があるのでしょうか。 美容治療として 1つは美容のための治療に活用されているということです。たとえば顔のシワは顔の皮膚の奥深くにある真皮層が加齢などのために減少し、その減ってしまった真皮層の部分が、皮膚表面で凹んでしまうことによって発生します。しかし幹細胞治療は、その真皮層になるべき幹細胞を注入するので、真皮細胞が再生し、その結果シワが消えてしまうというものです。 シワを改善させる美容医療には、ボトックスやヒアルロンなどと言った、薬剤や身体の成分そのものを皮膚に注入して行う方法が今までは一般的でしたが、しかしそれらは薬剤が代謝されてしまうことで、効果が生まれている期間に上限がありました。しかし幹細胞治療であれば、そもそもの細胞の増える母体を注入してあげることなので、期間的な上限はありません。原則として、幹細胞治療を行えば、不足している、あるいは欠落している細胞が増殖していきますから、いつまで若々しい肌でいられるのです。 このように幹細胞治療は美容の世界において画期的なシワ、たるみなどの防止、改善効果をもたらすものなのです。 またボトックスにしてもコラーゲン注入にしても、何度も繰り返さなければならないため、トータルとして治療費は非常に高くなってしまいます。しかし幹細胞治療は原則として1回で済むので、トータルでの治療費も非常に安く済むのです。その意味で幹細胞治療による細胞治療による美容医療は極めてコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。 関節炎などの改善 主に加齢によって生じる膝などの関節炎は非常につらいものですが、これらの関節炎は関節の軟骨がすり減ったり、関節の接続をスムーズにするコラーゲンなどの成分が減少することによって起こるものなので、抜本的な治療法がない悩みでした。 しかし幹細胞治療によって、軟骨やコラーゲンの元となる幹細胞を注入できるので、関節は若いころのように再生し、嘘のようにその悩みを解消してくれるのです。 関節炎の幹細胞治療には2つの方法があります。1つは関節鏡を用いる方法で、これは関節にカメラを差し込み、患部を見ながら幹細胞を注入するものです。もう1つは注射を用いる方法で、患部に幹細胞の含まれる薬剤を注入するものです。関節鏡を用いる方法は患部に確実に幹細胞を送り届けられるので確実ですが、身体に小さな穴を開けるので、患者には多少の負担がかかり、場合によっては数日の入院が必要になります。しかし注射であれば、治療後、患者はすぐに身体を動かすことができるので、日帰りで治療を受けることが可能です。 肝炎の治療 肝炎は肝臓の一部の細胞が壊死、あるいは機能不全になっている状態です。この肝炎にも幹細胞治療を行うと、壊死している肝臓に代替する肝臓を再生させることができるので、飛躍的な改善が期待できます。ただし、肝臓の場合はカメラを挿入することも、注射で幹細胞を注入することも難しいため、方法としては点滴で幹細胞を送り込む方法になります。点滴で輸入された幹細胞は血液に乗って肝臓に到達し、壊死した肝臓や機能していない肝臓の細胞を修復し再生させます。 糖尿病の治療 糖尿病は、血液中の血糖(ブドウ糖)が多くなる病気です。これは、すい臓が何かしらの原因で本来持っている血糖値を一定範囲におさめる働きができなくなる病気です。また、糖尿病は一度発症したら完治しない病気と言われています。しかし、幹細胞治療をすることにより、すい臓が本来持つ機能を取り戻すように幹細胞が働きかけ、正常に血糖値をコントロールするようになる可能性があります。 脳の疾患の治療 今まで脳梗塞などによって機能不全になってしまった脳には効果的な治療の方法がありませんでした。しかし幹細胞治療によって、幹細胞を脳に送り込んでやれば、機能不全になっている脳細胞を再生させることができるため、脳の損傷によって起こっていたさまざまな障害を改善させることができるようになってきました。 自己免疫疾患の治療 自己免疫疾患とは、自分の細胞が暴走し身体に害を働くようになった病気で、これもまた抜本的な治療法がないものでした。たとえば膠原病や、慢性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、慢性甲状腺炎などがそれに当たります。できることはせいぜいステロイドなど身体に大きな副作用のある薬剤を注入して、病気の発症を抑えたり、症状を緩和させることでした。 しかし幹細胞治療によって注入される幹細胞には、身体の免疫を調節したり、過度な反応を抑制する作用があるので、このような治療方法が見つからない自己免疫疾患に対しても極めて高い治療効果が得られるようになりました。 幹細胞治療の流れは 幹細胞治療の流れは以下のようなものです。 最初に専用の器具によって、腹部など脂肪が豊富にある部位から脂肪を少量、具体的には1/1000g(米粒2つから3つ分程)という単位で採取します。採取時間は数分で、局所麻酔を使うため、痛みはほぼありません。 そして採取した脂肪から幹細胞を分離させ、培養します。 その培養した幹細胞を患部に注入します。また培養した幹細胞は冷凍保存できるので、治療を再度行いたい場合でも、その凍結している幹細胞を利用することができます。 幹細胞治療にはリスクはあるのか? このように画期的で、今まで治療が難しいと思われていた病気に大きな効果をもたらす幹細胞治療ですが、リスクはあるのでしょうか。 幹細胞治療は、自分自身の幹細胞を使用して損傷または弱ってきた組織を修復することで、痛みを無くしたり、失われた人体機能を回復させる治療です。 そのため、拒絶反応が起こりにくくリスクはほとんどありません。 まとめ いかがですか。 幹細胞治療は今まで治療が不可能だと思われていたさまざまな病気を治してくれる画期的な治療方法です。もしも上で挙げたような悩みを持っているようであれば、幹細胞治療を検討してはいかがでしょうか。
2021.01.06 -
- 股関節
石灰沈着性腱板炎は股関節や肩関節、手関節などによく発症しますが、股関節に発症すると痛みや関節の動きが制限されることで、歩行が困難になってしまうこともあります。 このように石灰沈着性腱板炎が発症すると生活に支障が生じてしまいますが、なぜ石灰沈着性腱板炎が発症してしまうのでしょうか。 ここでは、石灰沈着性腱板炎による股関節痛の原因について紹介します。 こちらも併せてご参照ください 石灰沈着性腱板炎による股関節痛の原因 石灰沈着性腱板炎によって股関節痛が生じる原因は、股関節に石灰が沈着するためです。沈着する石灰は蓄積したカルシウムが石灰化したもので、石灰化したカルシウムが股関節に沈着した状態で身体が石灰を異物だと認識して攻撃すると、関節もダメージを受けて炎症を起こしてしまいます。 本来、沈着したカルシウムを異物と判断して攻撃することはないのですが、なぜ攻撃するようになるかは解明されていません。 股関節にカルシウムが沈着する原因 石灰沈着性腱板炎で股関節痛になるきっかけとなるのがカルシウムの沈着ですが、カルシウムは本来、骨を維持するために腸から吸収し、余分なものは尿で排出しています。 しかし、吸収と排出のバランスが崩れたり、年齢を重ねたりすることで、カルシウムが蓄積しやすくなってしまいます。 また、カルシウムは体内の細胞が活動するのに欠かせないので、カルシウム不足になると骨を溶かして補おうとします。よって、カルシウム不足がカルシウムの蓄積につながって、石灰化することもあります。 年齢による症状の違い 石灰沈着性腱板炎による股関節痛の痛みの度合いや鎮静化するまでの期間は人それぞれですが、年齢によってある程度の傾向があります。 若い人の場合は、溜まった石灰(カルシウム)を攻撃する力が強い人が多いため、炎症が激しく、強い痛みが出る傾向があります。しかし、痛みは強いものの鎮静化するまでの期間が短いケースが多いです。 一方、高齢者の場合は、石灰を攻撃する力が弱い人が多いため、炎症が激しいケースは少なくなります。 そのため、若い人ほど激痛が走ることは少ないですが、鎮静化するまでの期間が長いケースが多いです。 まとめ 石灰沈着性腱板炎による股関節痛の原因や年齢による症状の違いについて紹介しました。 股関節痛の原因は石灰沈着性腱板炎の他にもいろいろありますし、石灰沈着性腱板炎であった場合も症状の度合いによって適切な治療法も異なってくるので、自己判断せずに医師に診てもらうのがおすすめです。 股関節が痛い場合や思うように動かせない場合は我慢せずに早めに医療機関を受診しましょう。
2020.05.20 -
- 変形性股関節症
- 股関節
2003年に日本で認可された生物学的薬剤によるリウマチ治療は、従来の抗リウマチ薬よりも高い効果が期待できる治療方法です。 そのため、リウマチで悩んでいる人のなかにも生物学的薬剤に関心を持っている人も多いと思います。 しかし、 ・どれくらいの期間続けるの? ・どれくらいの費用がかかるの? ・生物学的薬剤をやめたら効果が無くなるの? といった疑問を持っている人もいるでしょう。 今回は、生物学的薬剤の治療期間について紹介します。 こちらもご参照ください 生物学的薬剤を続ける期間 生物学的薬剤を使用したリウマチの治療は高い効果が期待できるものの、どれくらいの期間、継続する必要があるのか知りたい人も多いでしょう。 実は、いつまで継続するべきというのは、まだわかっていないというのが現状です。 そして、仮に生物学的薬剤を使用していて症状が安定していたとしてもすぐに中止せずに少なくとも1年くらいは継続するべきと言われています。 生物学的薬剤による治療を受けて短期間で効果があったとしても自己判断で治療を止めるべきではありません。 リウマチ治療の生物学的薬剤の使用期間は長くなると費用がかさむ 生物学的薬剤によってリウマチ治療をおこなう場合、定期的に使用していくことになります。 使用頻度は生物学的薬剤の種類によって、2週間に1回、1ヶ月に1回、2カ月に1回などいろいろあります。 そこで、問題となってくるのが生物学的薬剤の使用にかかる費用です。 生物学的薬剤は従来の抗リウマチ薬より高い効果が期待できるものの、従来の抗リウマチ薬よりも高額です。 生物学的薬剤の種類によっても価格は異なりますが、健康保険で3割負担となった場合でも毎月1万5千から3万円くらい必要です。 そして、使用する期間が長くなればなるほど、費用の負担が大きくなるということになります。 生物学的薬剤を止めたら効果が無くなる? 生物学的薬剤を使ったリウマチ治療は、いつまでの期間までおこなうという明確な決まりがないので、基本的には長期間継続していくことを考えて治療を始める必要があります。 しかし、ある程度の期間生物学的薬剤を使用して安定した状態が続いた人で使用を止めた人のなかには、1年経っても安定した状態を維持できた人もいるという実例も近年出てきています。 つまり、仮に生物学的薬剤を使用し継続するのを止めたからといって絶対に悪化するというわけでもありません。 まとめ 生物学的薬剤によるリウマチ治療の期間について紹介しました。 生物学的薬剤による治療は一般的に長期間継続することになりますし、費用も高額になるので、計画的に治療を受けるかどうかを判断する必要があります。 生物学的薬剤による治療を検討している人は、そういった面も含めて、医師にしっかりと相談して計画を立てていきましょう。 また、リウマチによる関節破壊の修復については、再生医療による治療も効果が期待できます。治療の選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。 こちらも併せてご参照ください
2020.03.17 -
- 変形性股関節症
- 股関節
- 再生治療
股関節は、自分の体重を支えながら、歩く、立つ、しゃがむなどいろいろな動作を可能にする大切な役割を果たしています。 しかし、リウマチで股関節変形になると、こうした役割を果たすことができなくなったり、痛みが生じたりしてしまいます。 リウマチによる股関節変形の治療法の1つに手術があります。 今回は、リウマチによる股関節変形の手術の内容やタイミングについて解説します。 リウマチによる股関節変形の手術の内容 リウマチによる股関節変形の手術では、主に人工股関節置換術がおこなわれます。 人工股関節置換術とは、股関節後面から切開して、リウマチによって変形してしまった関節を人工股関節と置き換える手術です。 手術時間は2時間くらいですが、変形の状態によっても時間は異なりますし、筋肉質の人や太っている人は一般的な人よりも時間がかかることが多いです。 一般的には、入院後3週間くらいで退院することができます。 使用される人工股関節の一般的な耐用年数は20年くらいと言われていますが、近年では新たに改良されているためそれ以上の耐用年数が期待できます。 手術による傷口は股関節の後面に残り、大きさは12センチくらいです。 あまり変形していない場合は小さくすむこともありますし、逆に大きく変形していると傷口も大きくなることがあります。 手術をおこなうタイミング リウマチによる股関節変形の手術は、受けるタイミングも重要です。 手術が検討される主なケースは、 ・検査で炎症が進行していることが認められる場合 ・日常生活に大きな支障が出るくらい痛みがある場合 ・薬物療法や運動療法などでも改善できそうにない場合 などです。 こうしたケースに当てはまる人であっても、歩くのにも支障が出たり、耐えることができないほど痛くなったりするまで、我慢してしまう人も少なくありません。 しかし、先延ばしにせずに適切なタイミングで手術をおこなうことで、早期回復の可能性も高くなるので、医師と相談してタイミングを誤らないことが大切です。 股関節変形の治療に再生医療も選択肢の1つ リウマチによる股関節変形の治療というと、これまでは保存療法をおこなって、思うような改善ができない場合は手術をおこなうという選択肢しかありませんでした。 しかし、近年では自分の細胞で損傷した軟骨を修復させる再生医療も選択肢の1つになっています。 手術は身体の負担のことを考えると不安だという人や、手術を受けて入院する時間がとれないという人は再生医療も検討してみることをおすすめします。 まとめ リウマチによる股関節変形の手術について紹介しました。 リウマチによる股関節変形の状態によっては、手術が検討されることもあります。 手術を受けるのであれば適切なタイミングで受けることができるように医師のアドバイスを聞いてしっかりと判断しましょう。 また、現在では再生医療という選択肢もあり、体に負担のない治療法として注目されています。 再生医療を検討してみたい方は、専門のクリニックで相談することをおすすめします。 こちらも併せてご参照ください
2020.03.10 -
- 股関節
- 再生治療
介護職は体を使う仕事のため、関節などに負荷がかかりすぎることが原因で、体のどこかに痛みを抱えている人が多いです。 たとえば、変形性股関節症は股の痛みを伴います。 痛みがあると、介護の仕事に支障をきたすこともありますし、重症化すれば退職に追い込まれることもあります。 今回は、介護職の人が発症することもある変形性股関節症について、原因や治療法を紹介します。 介護職の人が発症することもある!変形性股関節症とは? 股関節はわたしたちの体の中で最大の関節で、体を支えるだけでなく、体を動かすことにも重要な役割を果たしています。その股関節に痛みが出てくる変形性股関節の原因や症状を紹介します。 変形性股関節症の原因 日本人の変形性股関節症の原因は、股関節の形成不全が多数を占めています。これは乳幼児の時の股関節の脱臼の後遺症や、生まれつきの形成不全です。 股関節の脱臼や大腿骨頚部骨折といったケガ、関節リウマチも変形性股関節症のリスクを高めますし、加齢による軟骨のすり減りによって発症することもあります。 介護職に変形性股関節症が起こる理由 変形性股関節症のリスクは介護の仕事にも潜んでいます。 長時間立ちっぱなしで仕事をしたり、利用者の体を支える仕事は股関節への負荷が大きく軟骨がすり減るリスクが高いのです。 こちらも併せてご参照ください 変形性股関節症の症状 初期の症状は立ち上がる時や動き始める時に起こる、足の付け根の痛みです。おしりや太ももに痛みが出ることもあります。 進行するとしゃがむことが困難になったり、前かがみができなくなったりと日常生活に支障が出ます。長時間立っているのがつらくなる場合もあるでしょう。 変形性股関節症の診断 変形性股関節症はレントゲンで進行度合いを確認することができます。 正常な股関節症は骨盤と大腿骨の間に隙間がみられます。 大腿骨の関節部分は丸い形をしており、その上部は骨盤に覆われています。 しかし股関節に形成不全がみられる方は、骨盤に覆われている面積が狭くなっています。 また変形が進行してくると、骨盤と大腿骨の隙間が狭くなったり、軟骨下骨が硬くなります。 さらに症状が進行すると、関節の周囲にトゲのような骨組織ができたり、骨嚢胞(こつのうほう)とよばれる骨の空洞ができることがあります。 介護職が悩む変形性股関節症の治療 もしも介護職が変形性股関節症になったらどのような治療があるのでしょうか。 薬物療法 痛みがあると仕事だけでなく日常生活にも支障が出てしまいます。そのため痛み止めで疼痛コントロールを行います。 運動療法 股関節は骨盤と大腿骨で構成されるので、その周りの筋肉を鍛えることで股関節の変形をとどめることができます。ここでは簡単な筋力トレーニングの方法を紹介します。 股関節周りの筋肉は、足を動かすことでトレーニングすることができます。立った状態で行う場合は、足を前に出す、横に開いていく、後ろに上げる、この3つを試してみましょう。足を前に出すときは、膝を曲げて行ってもよいですが、膝を伸ばして行うとより強い負荷で運動できます。 これら3つの運動を、痛みの出ない範囲でゆっくりと行います。トレーニングをする際は、バランスを崩して転倒したり、足を動かした際に上半身が前後左右に動かないよう、手すりなどにつかまりながら行うようにしましょう。 手術 痛み止めや運動療法で疼痛コントロールが難しいほど進行した場合、手術という選択肢があります。初期の段階では骨の一部を切って骨同士がぶつからないようにします。 変形が進んでいる場合は人工股関節置換術という方法もあります。 痛みに悩む介護職に朗報!変形性股関節症に再生医療という選択がある 痛みを我慢しながら介護職を続けるのは大変なことです。手術となると入院のため仕事を休まなければなりません。また手術の後どれくらいで復帰できるかも気になるでしょう。 介護の職場では人手不足のところが多く、休暇を取りにくい人もいるかもしれません。 そこでご紹介したいのが、再生医療という方法です。 再生医療では、患者さん自身の脂肪から採取した幹細胞を股関節に注入し、傷ついた軟骨を修復するという治療法を行います。 自身の血液から採取した多血小板血漿を股関節に注射し、傷ついた組織を修復させる方法もあります。 手術の場合、長期休暇が必要になり、介護職の人には負担でした。しかし再生医療は入院のために仕事を休む必要はなく、自身の細胞や血液を使うので副作用の心配もありません。 新たな治療の選択肢として可能性が広がっているのです。 まとめ 体を使うことの多い介護職が変形性股関節症になると、仕事自体がリスクになりますし、日常生活そのものにも支障をきたすことがあります。 近年、変形性股関節症の新たな治療として再生医療が注目されています。痛みが強くてつらいけれど手術するほど休みがとれない、少しでも安心な治療法で根本的な完治を望みたいというのであれば、再生医療を検討してみる価値があるでしょう。 当院の再生治療 自己細胞由来幹細胞治療 PRP治療 股関節の痛みについて
2019.11.29 -
- 変形性股関節症
変形性股関節症の治療においても、家族や周囲の人の協力が不可欠です。そして、適切な看護が必要になります。そこで、変形性股関節症の治療における看護について解説します。 変形性股関節症という病気 変形性股関節症の患者さんを看護する際は、まずこの病気についての特徴を知ることが必要です。どのような病気であり、そのためにどのような行動で症状が悪化しやすいのかを知ることで、看護する際の注意点もわかってくるはずです。 変形性股関節症は、股関節の軟骨がすりへってしまい、骨の変形を引き起こしてしまう病気です。股関節という名前が病名に含まれていることからも推測できると思いますが、腰や脚などに症状が現れやすい病気です。 往々にして現れやすい症状は「痛み」。加えて股関節周辺の痛みということもあって、歩行や脚に関する行動に少なからず悪影響を及ぼします。その影響により、日常生活や仕事においてさまざまな弊害をもたらすことになるでしょう。 病気を理解して周囲の協力を得ることが治療において重要 変形性股関節症という病気は、薬を使っても痛みを止めるというような効果しか期待できず、根本的な治療が望めません。また、一度変形してしまった骨は基本的に元の形に戻ることはありません。 症状は徐々に進行してしまうので、保存的治療として運動療法や薬物療法が行われ、痛みの緩和と進行防止に努めることになります。 看護者や家族に「たかが痛み程度で」と言われてしまうと、治療に対する本人のモチベーションにも悪影響となります。痛みの感じ方は人それぞれですし、痛みを感じているときは様々なことに不安になったり、心配になったりするものです。 ですから、変形性股関節症の治療においては、家族の共感・協力が必要ですし、場合によっては職場や地域の人の協力も必要です。 看護する立場にある人や職場の人は、できるだけ患者さんの股関節や脚の負担を軽減してあげてください。特に仕事では重いものを持ったり、段差の上り下りをするなど、股関節への負荷の大きなアクションも多々あると思います。そうした仕事からはなるべく外れてもらい、負荷の少ない仕事を中心に行ってもらうなどの工夫が必要です。 まとめ 変形性股関節症という病気は、痛みを伴う辛い病気ですし、一度なってしまうと治癒が難しいです。しかし、患者さん本人の努力はもちろんのこと、看護する立場の人、家族や職場の人たちの協力によって、症状の進行を遅らせることが可能です。病気について理解し、患者さんの負担を少しでも取り除くことで治療を手助けしてあげてくださいね。 こちらも併せてご参照ください
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
変形性股関節症では、保存的治療として運動療法などを行います。とはいっても、股関節や足、腰に負担がかかるような運動はできません。そこで、「ヨガはどうかな?」と思う方も少なくないのではないでしょうか。ヨガは健康そのものにも良さそうな運動ですし、無理なく行うことができそうですよね。そこで、変形性股関節症とヨガの相性について解説します。 こちらも併せてご参照ください 基本的にNG! 結論から述べてしまうと、変形性股関節症の人、あるいはその症状が疑われる場合には、ヨガは基本的にNGであると考えてください。 詳しくは担当の医師からの指示に従うことになりますが、実は変形性股関節の症状とヨガは相性が良くないのです。 ヨガにはさまざまなポーズがありますが、股関節を大きく開くポーズが多いことも事実です。変形性股関節症の人は、股関節に負担がかかるような動作は控えたほうが良いです。仮に我慢して行ってしまうと、症状が悪化する可能性が高くなります。 「ヨガ=健康に良い」というイメージがありますが、変形性股関節症とは相性が良くないということを知っておきましょう。 変形性股関節症とは 股関節は太ももの骨である大腿骨が骨盤にはまり込むようにできています。この股関節が変形してくると、大腿骨と骨盤の隙間が狭くなり、軟骨組織が硬くなります。 また症状が進行すると、関節の周囲に骨棘(こつきょく)とよばれるトゲのような骨組織が形成されたり、骨嚢胞(こつのうほう)とよばれる骨の空洞ができたりします。このように関節が変形すると、股関節の動きも狭くなってきます。 例えば、股関節を深く曲げる動作や、足を大きく外に開く動作ができなくなってきます。最初の頃は立ち上がり時や歩き出しの時に、足の付け根に痛みが見られます。症状が進行してくると痛みも強くなり、場合によっては夜寝ていても痛みを感じるようになる人もいます。 また日常生活では、股関節の動きが狭くなってくると、靴下が履きにくくなったり、足の爪が切りにくくなります。股関節の周りの筋肉が硬くなっても可動域が狭くなりますが、これはストレッチや体操などで筋肉を伸ばしてあげると可動域は広がってきます。しかし、骨の変形により狭くなった可動域をヨガなどで無理に動かすことは、痛みをさらに増強させることになりかねません。 変形性股関節症は女性に多い疾患です。女性の場合は生まれつき股関節のはまり込みが浅い人がいます。このような人は年齢が進むと股関節の変形が進行する場合が多くみられます。また股関節は荷重のかかる関節ですので、肥満傾向にある人も年齢とともに変形性関節症に移行しやすいです。 一度変形をした関節は元の形には戻りませんので、関節への負担を軽減することが大事です。歩行での移動が多い人は自転車と使うと負担を減らすことができます。また若い人では抵抗があるかもしれませんが、杖を使っての歩行でも荷重を軽減することができます。 他にも、股関節周りや足の筋肉を強化するのも効果的です。立ったり歩いたりする動作では、股関節や足の筋肉が関わってきます。その筋肉が硬くなったり弱ってくると、動作がスムーズにできなかったり、股関節の安定性が低下しますので、変形性股関節症の症状が出てきたら運動療法を始めるといいでしょう。 運動療法の重要性 ヨガと変形性股関節症の相性はよくないのですが、でも、股関節や下肢を全く動かさないというのも良くありません。なので、変形性股関節症の患者さんには、治療の一環として「運動療法」が取り入れられることが多いです。 運動療法の目的は、股関節のリラックスによる股関節軟骨の健康維持と股関節の可動域の確保にあります。運動療法を適切な方法で継続することにより股関節を正しく動かすことができ、筋力の維持にもつながるのです。 変形性股関節症の運動療法として正しい運動 変形性股関節症の患者さんは、一体どのような運動が良いのでしょうか。 原則として担当医から指導された内容を実施することになるのですが、基本的としては「股関節に過度な負担がかからない運動」、そして、「継続が容易である運動」です。 先ほども説明していますが、股関節や下肢に負荷のかかる運動は、かえって変形性股関節症の症状を悪化させる可能性があり、運動療法は根治治療には該当しない保存的治療の1つですから継続することが必要です。 負荷の大きな運動は患者さんによっては継続が難しい場合もあるので、軽めで簡単にできる、自宅でもできる運動が良いと考えられています。 例えば「ストレッチ」や「ももあげ」、「かかとあげ」などの軽めの運動、また、「水中運動」は負荷が少なく、変形性股関節症の運動療法として適しています。 関連記事はこちら 変形性股関節症に有効なストレッチ まとめ ヨガは体に良さそうなイメージがありますが、残念ながら股関節への負荷の観点から変形性股関節症の治療法としては適していないといえます。変形性股関節症の治療で、運動療法を取り入れる場合は担当の医師から指導された内容を遵守して継続していくようにしてくださいね。もし、痛みが出てしまったときは運動を中止し、早めに受診しましょう。
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
変形性股関節症になると、股関節や脚に痛みが生じるようになります。初期の頃はストレッチをしたり、温めるなどの対処法で痛みが引くこともありますが、中期から末期になると痛みの症状も強くなってきます。その強い痛みには「痛み止め」が有効ですが、どのような薬を使うのか、どのような効果があるのか知っておきたいですよね。そこで、変形性股関節症の痛み止めについて解説します。 変形性股関節症の薬物療法は根治治療ではない 変形性股関節症では「薬物療法」を選択することがありますが、残念ながら使用される薬は「痛み止め」であり、病気を根本的に治療する薬ではありません。いわゆる「対症療法」であり、変形性股関節症によって発生する痛みに対して使用することになります。 変形性股関節症で使用する痛み止め 変形性股関節症で使用する痛み止めは「消炎鎮痛薬」が多いです。この薬は痛みを軽減させるだけではなく、発生している炎症を抑える作用があります。 特に、変形性股関節症で激しい痛みが生じている場合には炎症を起こしている可能性があります。「温熱療法」を実施して痛みが軽減しない、あるいは痛みが悪化した場合には、炎症を抑える薬を使用して痛みの改善を図ります。 痛み止めの服用の仕方について 基本的に、処方してくれた医師の指示に従って服用してください。痛み止めを服用し続けることは良くないと考え、痛みが落ち着けば自己判断で中断しても良いという医師もいます。 初期の変形性股関節症であれば、痛みも軽いことが多いので薬物療法の他に「運動療法」や「温熱療法」などを合わせた「保存的治療」でコントロールが可能なことが多いです。 しかし、変形性股関節症は加齢などの要素もあるため、次第に症状が悪化することが多いです。結果、症状が悪化すると既存の方法では十分に痛みをコントロールできないこともあります。 その場合には「手術治療」の実施が検討されます。手術法としては「骨切術」と「人工股関節置換術」の2種類に大別されます。 最近では人工股関節の技術が進歩し、寿命が長くなったことをうけて、若い世代での変形性股関節症に対しても痛みなどの症状次第で人工股関節への置き換えが積極的に検討されるようになりました。 まとめ 変形性股関節症では、症状の進行を抑えるため、そして痛みを和らげるために保存的治療が選択され、その一環として痛み止めが処方されることが多いです。医師の指示通りに服用し、痛みのコントロールをしましょう。どうしても痛み止めが十分に効かない場合には手術治療を検討することもできます。痛みを我慢せず、早めに担当医に相談してみてくださいね。
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
変形性股関節症になったら、少しでも症状を悪化させないことが重要です。そのためには、変形性股関節症の症状が悪化するようなことをしてはいけません。そこで、変形性股関節症になったらしてはいけないことについて解説します。 股関節や脚に負担をかける 変形性股関節症になったらしてはいけないことの1つ目は、「股関節や脚に負担をかける」ことです。どんな病気にも「悪化する要因」というものが存在しますが、変形性股関節症の場合は股関節や脚に負担のかかる行動をすると悪化する可能性が高まります。 例えば、重いものを抱えたまま階段を上り下りするといったアクションがこれに該当します。仕事の都合上どうしても行わなければならないなどの理由があっても、結果的に変形性股関節症を悪化させてしまうことになると、さらに仕事や日常生活に支障をきたすことになりかねません。 家族や勤め先の人たちに理解と協力を求めて、可能な限り日常生活の中から股関節等に負担のかかるアクションを排除することに努めましょう。 杖や靴の見直しを行わない 変形性股関節症になったら、「杖の購入」や「靴の見直し」などが必要です。症状に合わせて杖や靴を見直し・買いなおすことについては費用負担などの点でデメリットに感じるかもしれません。 しかし、股関節への負担をやわらげ、痛みを緩和させるためのアイテム「杖」や「「靴」はとても重要です。ですから、これらの見直しを行わず、今までと同じものを使い続けるというのはよくありません。 つまり、変形性股関節症で杖や靴が必要なのに導入しない、見直しをしないというのは、患者さんにとって「してはいけないこと」です。 体重のコントロールを怠る 変形性股関節症の患者さんがしてはいけないことの3つ目は「体重のコントロールを怠る」ことです。 体重の重い人はそれだけ股関節への負担がかかるといわれています。また、姿勢や動作によっては体重の数倍の負荷がかかる可能性もあるので、体重をコントロールすることは変形性股関節症の治療を続けるうえでとても重要です。 ストレッチや筋力強化などを怠る 変形性股関節症の患者さんがしてはいけないことの4つ目は「ストレッチや筋力強化などを怠る」ことです。 変形性股関節症では、股関節への負担を軽減して可動域を確保するために運動療法を実施します。しかし、変形性股関節症では痛みなどの症状もみられますので、あまり体を動かしたくないというケースも珍しくありません。 ですが、ストレッチなどで股関節を動かさないと関節の可動域が徐々に狭くなり、筋力低下を招いてしまいます。結果、変形性股関節症の症状を悪化させてしまいますので、無理のないレベルで運動療法を継続することを心がけるようにしましょう。 まとめ 変形性股関節症の症状を悪化させないためには、こちらでご紹介した「してはいけないこと」を知ることが大切です。くれぐれも、股関節や足・腰に負担のかかることはしないようにしてくださいね。そして、担当の医師の指示・指導に従って日常生活を送り、その中で症状の悪化や異常が見られた場合は、早めに医師に相談するようにしましょう。 こちらも併せてご参照ください
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
変形性股関節症の患者さんは、その症状をなるべく悪化させないようにすることが必要です。症状が進行してしまうと、日常生活に支障をきたすようになってしまうからです。そこで、変形性股関節症の患者さんがやってはいけないことについて解説します。 激しい運動 変形性股関節症の患者さんがやってはいけないことの1つ目は、「激しい運動」です。 特に股関節や腰、脚に負荷のかかる運動は絶対にやってはいけないことです。運動によって股関節への負担が大きくなると、変形性股関節症の症状を悪化させる大きな要因になってしまいます。 ただし、適切な運動療法を実施することは、変形性股関節症の治療において重要なアクションとなります。患者さんの症状を確認したうえで、担当の医師から適切な運動療法のやり方の指導があるので、その運動を行うようにしてください。 もし、医師から指導された運動であっても痛みを感じるという場合は、運動を中断し、さらに医師の指示を仰いでください。 痛みを我慢すること 2つ目のやってはいけないことは、「痛みを我慢する」ことです。 病気なのだから症状が出ることは仕方がない、股関節や脚に痛みがあっても我慢するしかないと考える人も少なくないでしょう。しかし、それは大きな間違いです。 変形性股関節症では、痛み止めによる薬物療法の選択肢もあります。対症療法として痛み止めを使用しながら運動療法も行うという場合もありますが、痛み止めで緩和できたとしても根本的な治癒には至りません。 運動のやり方は医師の指示通りに行い、痛み止めも適切に使ってください。そして、もし、辛い痛みが生じた場合は、その痛みを我慢したり自己判断で痛み止めの使用を増やすのではなく、担当の医師に相談して対処法を決めるようにしてくださいね。 温熱療法で痛みを感じる場合 変形性股関節症の患者さんのやってはいけないこと、3つ目は「温熱療法」に関することです。 変形性股関節症の痛みを緩和する方法として股関節周囲を温め、股関節周囲の血行を改善することで筋肉がほぐれ、痛みの緩和を目指す温熱療法があります。 しかし、痛みの原因が股関節や脚などの炎症である場合は、温熱療法を行うことによってさらに症状が悪化してしまう場合があります。 まとめ 変形性股関節症の症状は、患者さんの行動次第で急激に悪化してしまうことがあります。そうならないようにするために、「変形性股関節症の患者さんがやってはいけないこと」を知り、守ってください。そして、股関節や腰、脚などに異常を感じたら早目に医療機関を受診し、医師から適切な治療と今後のアドバイスを受けることが大切です。 こちらも併せてご参照ください
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
「変形性股関節症」を発症すると、股関節や脚に痛みを生じる可能性が高いです。命にかかわるものではないとはいえ、痛みが続くのは決して良いことではありません。そこで、変形性股関節症の痛みを緩和する方法について解説します。 変形性股関節症の対策の基本 変形性股関節症の症状を緩和するためには、「股関節への負担を軽減する」ことが必要です。ですから、股関節や腰に負担のかかる行動は控えるようにしましょう。また、靴や杖などの選び方にも注意が必要です。詳しくは担当の医師に相談して、自分にとって最適なアイテムを選んでください。 変形性股関節症を緩和する方法 それでは、変形性股関節症を緩和する方法をご紹介します。 温熱療法 変形性股関節症による慢性的な痛みに対しては「温熱療法」が効果的と言われています。温めることによって股関節周囲の血行を促し、筋肉をほぐすことで痛みを和らげる効果が期待できます。 ただし、激しい痛みがある場合は、股関節付近に炎症が起こっている可能性が考えられます。その場合は温熱療法は症状を悪化させる危険が高いので注意しましょう。もし、温熱療法で痛みが強くなったら時にはすぐに中止してください。 運動療法 変形性股関節症の保存的治療の中心となるのは「運動療法」です。 ストレッチや軽い運動を中心に行い、股関節の筋肉を柔らかくし関節の位置の矯正作用によって変形性股関節症による痛みを和らげることができます。 ただし、無理は禁物。運動療法は、無理のないレベルで行いましょう。特に股関節の筋肉トレーニングは、十分なストレッチを行っていない状態で実施すると症状を悪化させる可能性があります。 また、ストレッチや運動などによって股関節や脚に痛みが生じる場合は、運動療法を継続しないようにしてください。 オリジナルの運動はかえって症状を悪化させることがありますので、基本的には、担当の医師から指導された運動療法を行ってください。また、適切な運動を行っても症状が改善されない、あるいは悪化した場合には、早めに医師に相談して指示を仰いでくださいね。 薬物療法 内服薬を使って変形性股関節症の痛みを緩和することもできます。 しかし、お薬を使った薬物療法は、根本的に変形性股関節症の治療を行うのではなく、あくまでも痛みなどの症状を一時的に緩和するために行われる治療です。 こちらも併せてご参照ください まとめ 変形性股関節症の痛みを緩和する方法は、いくつかあります。しかし、これらを適切な方法で実施しても症状が改善されない場合も考えられます。症状が進んでしまうような場合は、外科的手術治療も視野に入れ、担当の医師に相談してみてください。
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
「変形性股関節症」の症状が出てしまうと、股関節や脚の痛みによって生活に支障が出てしまいます。少しでも症状を予防するために、日常的に実行できることがあれば便利だと思いませんか?そこで、変形性股関節症の予防に有効なストレッチについて解説します。 こちらも併せてご参照ください 股関節はどこにある? ストレッチをする際には、まず、影響する部位の正確な場所を意識することが大切です。 股関節は股間の奥側、お尻に近いあたりに位置していて、太ももの骨が骨盤と接する部分の関節が股関節に該当します。その関係上、股関節に異常が起きると太ももや腰の痛みが症状として現れます。 変形性股関節症は先天性の病気などを原因とするケースもありますが、日頃から股関節のストレッチを行うことによって、加齢などを原因とする発症リスクを少なくすることが可能です。 変形性股関節症予防に有効なストレッチとは? 股関節に効果的なストレッチとしては、例えば以下のストレッチがあります。 ①床に座って足を広げる ②足を内側に回転させる ③足を外側に回転させる ④上記の動きを数回繰り返す このようなストレッチは、毎日の生活の中に取り入れていくことができます。ただし、ストレッチをすることによって強い痛みを感じる場合は無理をしないようにしましょう。その場合は、早めに整形外科を受診してくださいね。 他にも以下の運動が有効です。 ●スクワット ●もも上げ ●かかと上げ ●ブリッジ ●水中運動 特に「水中運動」は股関節などへの負担が少なく、運動によって痛みを感じる場合にオススメです。 ストレッチや運動は変形性股関節症の予防だけでなく、すでに発症している場合に症状が進行するのを防ぐことにも有効です。いわゆる「運動療法」であり、医師から適切な運動方法を指導されると思いますので、無理のないレベルで継続しましょう。 無理は禁物! 先ほども少し触れましたが、ストレッチや運動をする中で股関節や脚に痛みや熱、その他の症状を感じる場合には、そのまま継続することは危険です。その場合は念のために医療機関を受診し、適切な対処法、ストレッチ方法をアドバイスしてもらうようにしましょう。 まとめ たかがストレッチとはいえ、継続することによって変形性股関節症の予防をすることができますし、軽度であれば進行を遅らせることもできます。ストレッチは基本的に体への負担は少ないですが、もし何らかの異常や症状を感じ取った場合には無理をせず、念のために医療機関で診てもらうことをオススメします。
2019.05.08