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太ももの付け根が痛いときは股関節の異常?考えられる病態とは

太ももの付け根が痛い

太ももの付け根が痛い場合は、大腿骨や骨盤の骨自体に何か問題が起きているケースと、筋肉に異常が起きているケース、さらには何か病気が隠れているケースがあります。いずれにせよ、放っておくと日常生活に大きな支障をきたすことは変わりないので、早く見極めて専門医に相談することが大切です。そこで今回は、太ももの付け根が痛い場合に考えられる病態と、対処法をご紹介していきます。

太ももの付け根には何が位置しているか?

太ももの付け根には、股関節が位置しています。骨盤と大腿骨で構成される股関節は、可動域が広く、様々な筋肉や神経、血管が近くを走行しています。股関節の代表的な筋肉でいうと、大殿筋や中殿筋などの臀部の筋肉や、ハムストリングスと呼ばれる臀部から太ももの裏側にかけての筋肉、さらには大腿四頭筋と呼ばれる太ももの前面を覆っている筋肉があります。恥骨から大腿部の内側にかけては内転筋が位置しており、歩行の安定性にとても大きな役割を担っているのです。神経では太い神経である坐骨神経、大腿部の前側を走行している大腿神経が代表的です。血管も、大腿動脈や大腿静脈など、血流量の多い血管が走行しています。さらには鼠径部にリンパ節があり、老廃物の代謝などに重要な器官です。

股関節の基本的な動きは?

股関節は球関節であるため、様々な軸で動作を行います。伸展は臀部の筋肉やハムストリングスが中心に筋力を発揮し、屈曲では大腿四頭筋や腹筋、深部にある腸腰筋などが筋力を発揮します。外転でも臀部の筋肉が主動作筋として働き、内転は内転筋群の役目です。さらには外旋動作もあり、臀部の深層にある梨状筋などが筋力を発揮し、内旋動作では内転筋群が働きます。

太ももの付け根が痛いときに考えられる病態

太ももの付け根が急に痛くなった場合、考えられる病態をご紹介していきます。

筋肉疲労

単なる筋肉疲労で太ももの付け根が痛くなることも考えられます。捻挫や打撲などの怪我ではないですし、もちろん病気でもありません。しかし、臀部や股関節の筋肉が硬い場合や、足首や膝に痛みや不安を抱えている場合など、太ももの付け根にダメージを蓄積する可能性は広く考えられます。腸腰筋や大腿四頭筋に軽微な外力によるダメージが蓄積した結果、歩行時や立ち上がり時などの動作時に太ももの付け根が痛くなることは十分起こり得るでしょう。この場合は、治療というよりも、安静にして疲労の回復に努めることが第一です。

変形性股関節症

太ももの付け根が痛くなった場合に、年齢などの環境を考慮して考えられるのが、変形性股関節症です。変形性股関節症は臼蓋形成不全などの先天的な変形もリスクを高める一因であり、少しずつ股関節を蝕んでいきます。具体的には股関節の関節面に位置している関節軟骨が少しずつすり減ってしまい、関節内で炎症と変形を起こしてしまう病態です。交通事故など一度の大きな衝撃によって変形性股関節症になるのではなく、日常生活を送る上での負担の積み重ねが、少しずつ変形性股関節症を作り上げていきます。負担の蓄積という大きな原因がある以上、年齢と共に発生リスクが上がることは避けられません。保存療法によって股関節に負担をかけない動作を獲得していく他、あまりにも日常生活に支障が出るようであれば、人工関節などの手術が考えられます。

関節リウマチ

関節リウマチは自己免疫疾患の一つで、簡単に言えば自分の関節を自分の免疫力で攻撃してしまう病態です。本来であれば外から侵入してきた病原菌やウイルスに対して免疫力を発揮するはずの機構が、何らかのエラーで自らの健康な細胞を攻撃してしまう原因不明の病気でもあります。通常は四肢の末端部分の関節から少しずつ炎症や変形などの症状が出始め、全身の関節どこでも痛みが起こり得ます。その中で股関節の痛みが、太ももの付け根の痛みとして感じられることもあるのです。

大腿骨近位部骨折

大腿骨近位部骨折は、高齢者に多い骨折です。転倒などによって外力を受け、大腿骨頭に向かう大腿骨頸部で骨折してしまうこともあります。大腿骨頸部で骨折があれば、荷重をすると激痛になるので、痛みの発生機序と動作制限によって鑑別できます。大腿骨頸部骨折の中でも、関節内と関節外で重症度が異なり、関節内に骨折線がかかっている場合は治療もより長期になります。場合によっては髄内釘などの手術が必要です。年齢によっては、大腿骨近位部骨折から寝たきりになってしまうこともあるので、特に骨粗鬆症がある方は注意しなければならない骨折です。

大腿骨頭壊死症

大腿骨頭壊死症になると、壊死によって変形した大腿骨頭に重心がかかると、太ももの付け根に痛みを感じることになります。大腿骨頭壊死症の原因は未だに不明であることが多く、ほとんどが特発性です。大腿骨頭壊死症のリスクを高める要因としては、アルコール中毒などによる、アルコールの多飲歴が挙げられます。他にも、治療などによるステロイドの使用歴が多いと、大腿骨頭壊死症のリスクを高めると言われています。大腿骨頭を栄養している大腿骨頭動脈が何らかの原因で遮断されることによって起こる病態です。大腿骨頭壊死症が発生した初期の段階では、保存療法によって荷重のかけかたを工夫することによって様子を見ることもできます。しかし、常に体重がかかる関節であるため変形も進みやすく、人工関節置換術の適応になることも多いです。

腰椎椎間板ヘルニア

腰部脊柱の間から派出する神経が、大腿部を通って足の先まで走行しています。その過程で太ももの付け根を支配している神経が絞扼や圧迫を受ければ、そこで痛みを発生することがあります。椎間板ヘルニアとは脊柱の中を通っている脊髄や神経根が、変形して飛び出した椎間板によって圧迫されている病態です。したがって、圧迫されている高位によって太ももの付け根で痛みが出ることもあれば、下腿部で痛みが出ることもあり、治療も比較的長期間になることが多いです。ヘルニアによって神経を圧迫している痛みに加え、筋緊張が強くなることによって、走行している神経を絞扼してしまうケースもあります。腰椎椎間板ヘルニアになってしまう原因は、長期間負担が積み重なったということです。重い物を持つような仕事であったり、長時間の運転であったり、腰に負担を溜めやすい生活習慣がある方は腰椎椎間板ヘルニアを発症しやすいと言えます。ブロック注射を含む保存療法によって、筋緊張の緩和と股関節や腰椎の柔軟性を取り戻すことで症状の緩和を目指します。それでも日常生活に大きな支障をきたしている場合は、手術も選択肢に入ってきます。しかし、手術したからといって腰椎椎間板ヘルニアの痛みが100%消えるという保証はなく、別の高位で再発するケースもあります。結局のところ、腰椎椎間板ヘルニアになってしまう体の使い方を正していかなければ、根本的な解決には至らないのです。

脊柱管狭窄症

脊柱のマルアライメントや、脊柱管内の変形によって神経や血管を圧迫してしまう病態です。腰に慢性的に負担がかかるということが、脊柱管狭窄症の発生リスクを高めます。脊柱管狭窄症になってしまうと、太ももの付け根や足の先で神経的な痛みを発生させることがあります。最も特徴的な症状は間欠性跛行で、一定の時間歩くと痛みやしびれで下肢に力が入りにくくなり、一定の時間休むことで再び回復するという症状が出てきます。安静時でも腰や下肢が痛いケースもあり、坐骨神経痛を伴うことも多いです。脊柱管を狭窄している原因が姿勢不良などのマルアライメントにあれば、姿勢の改善や骨盤矯正によって症状を改善させることも可能です。場合によっては手術という選択肢もあります。

鼠径ヘルニア

別名脱腸とも呼ばれ、主に小腸が鼠径部から皮下に飛び出してしまう病態のことです。鼠径部に筋膜が脆弱な部分があり、腹圧が高まることでそこから内臓が出てきてしまうのです。原因はほとんどが先天的な要因であり、年齢と共に筋力が落ちるため鼠径ヘルニアの発生リスクが高まります。飛び出してきた小腸が嵌頓してしまい、徒手整復でも元に戻らなくなってしまった場合は、早急に手術が必要です。嵌頓している組織が壊死を起こしてしまい、重篤な状態になりかねないからです。鼠径ヘルニアが発生すると、まさに太ももの付け根で痛みが出て、体表からでも膨らみを確認できます。

リンパ節炎

鼠径部にはリンパ節が位置していて、ウイルス感染などで炎症を起こしてしまうと、太ももの付け根で痛みが出ます。感染以外でも、全身性エリテマトーデスのような自己免疫疾患でも、リンパ節の腫脹を認めることがあります。それが鼠径部のリンパ節で起これば、太ももの付け根が痛むわけです。

太ももの付け根が痛くなったらどうすればいい?

太ももの付け根が痛くなったときの有効な対処法をご紹介していきます。

安静にする

荷重をなるべくしないように気を付けて、安静にすることで痛みが治まるのであれば、筋肉疲労や保存療法で十分改善できる症状である可能性が高いです。股関節は常に荷重されている関節なので、負担も溜まりやすいです。

腰や股関節のストレッチをする

腰から来ている神経を圧迫していることによって、太ももの付け根で痛みが出ているのであれば、ストレッチをすることで痛みが緩和されることがあります。腰の屈曲や伸展のストレッチをしてみて、痛みが憎悪しないか確認してみてください。牽引によってストレッチ効果を出すのも有効なので、鉄棒などにつかまってぶら下がるだけでも痛みが緩和されることがあります。股関節は特に臀部のストレッチが有効で、坐骨神経痛や梨状筋症候群などの症状で太ももの付け根が痛い場合は、大殿筋や中殿筋といった臀部の緊張が取れるだけでもかなり変化します。

温める

お風呂などで温めることによって、痛みが軽減されることもあります。特に股関節の前側には太い血管が通っているので、そこの血流が悪くなるだけでもしびれや痛みが増しやすくなります。下肢の疲労も抜けにくくなりますし、冷えやむくみも出やすくなるので、温めることで痛みが憎悪する可能性を排除していくこともできます。

医療機関に相談する

簡単なセルフケアでも太ももの付け根の痛みが変わらない場合は、すぐに医療機関を受診することをお勧めします。精査をしておきたいなら整形外科で、壊死など器質的な異常でない場合は接骨院や整骨院でも治療が可能です。それぞれの治療の大きな違いとしては、整形外科は注射や服用薬など薬物療法、そして手術療法の選択肢があることです。接骨院や整骨院は、筋肉の緊張や背骨のゆがみなど体の使い方を改善していく治療法になります。

症状によって使い分け、通院しやすい方を選ぶと良いでしょう。

痛みを放っておくと歩けなくなることも

太ももの付け根の痛みの裏には、大腿骨頭壊死など生活レベルを大きく左右してしまうような病気も隠れています。最初は些細な痛みでも、荷重関節なので悪化の進行は早いと心得ておきましょう。放っておくと歩けなくなることもあるので、早めに対処するに越した

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