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肘の外側、何もしてないのに痛い!上腕骨外側上顆炎や神経痛かも

肘の外側、何もしてないのに痛い!上腕骨外側上顆炎や神経痛かも

ぶつけたり捻ったりしたわけでもないのに、急に肘の外側が痛くなる。実はこれ、珍しい症状ではありません。普段の生活の中で軽微な外力による負担が積み重なり、あるとき突然、肘の外側で痛みを発生させます。

今回は、肘を伸ばすときや曲げると肘の外側が痛いとき、何もしなくても痛いときに考えられる原因や対処法、治療法や予防法についてご紹介していきます。ぜひご参考にされてください。

肘の外側が痛い

肘の外側が痛い場合は「上腕骨外側上顆炎がいそくじょうかえん)」を疑う

上腕外側上顆炎という肘の病気をご存じでしょうか?肘の外側が痛いときの原因として考えられることがよくあります。

上腕骨外側上顆炎(テニス肘、テニスエルボー)とは?

別名テニス肘、近年ではスマホ肘と呼ばれることもある病態です。これらは正式名称を「上腕骨外側上顆炎」と呼び、上腕骨にある外側上顆で炎症が起きているということを言います。

外側上顆で痛みが出ているわけですが、実際に根本的な原因になっているのは肘関節というよりも前腕の筋肉群です。具体的には手関節や手指の伸展動作に関わる筋肉で、前腕の伸筋群と呼ばれます。

前腕の伸筋群は、上腕骨の外側上顆から前腕を通過し、手関節の先まで走行しています。そのため、前腕の伸筋群を使いすぎるなどしてダメージを蓄積した場合、外側上顆にも負担がかかります。

ぶつけていないのに肘が痛くなるのはなぜ?

手関節や手指の動きを繰り返し行うことで、前腕伸筋群が伸張を繰り返し、その牽引力が外側上顆の一点にかかります。これが長時間、または長期間続くことで徐々に外側上顆で炎症を起こし、結果的に伸ばすと痛い、曲げる痛い、何もしなくても肘の外側が痛いという症状となって現れるのです。

前腕の筋肉を多用するテニスプレーヤーに多い症状でもあることから、テニス肘という名称がついています。近年でスマホ肘と呼ばれる理由は、テニスをしていない人でもよく起こる症状であることも由来しています。

スマホを長時間操作していると、スマホを支えるために前腕の筋肉が硬直し、外側上顆に負担をかけるのです。

肘関節の構成

肘の関節は、上腕骨と前腕の橈骨(とうこつ)、尺骨(しゃっこつ)の3つの骨で構成されています。

肘関節のなかでもさまざまな関節があり、肘関節をもっと詳しくみていくと3つの関節が1つの関節包の中に納まっています。

 1,腕尺関節(わんしゃく‐かんせつ)
  • その中の1つの腕尺関節は、関節の種類でいうと蝶番関節であり、屈曲と伸展の運動を行っています。
 2,腕橈関節(わんとう‐かんせつ)
  • もう1つが腕橈関節であり、小さい関節ではありますが球関節の構造をしています。肘の屈曲伸展、回旋運動に関わる関節です。
 3,上橈尺関節(じょうとうしゃく‐かんせつ)
  • 最後の1つが上橈尺関節で、前腕の骨である橈骨と尺骨の間で構成されている関節です。主に前腕の回外や回内運動を行っています。

肘関節を動かす最も大きな筋肉は上腕二頭筋で、肘関節の屈曲と前腕の回外の運動に関わっています。

上腕二頭筋は肩甲骨から上腕を通過して前腕まで走行しているため、肩関節の動きに異常がでることによって肘関節に影響が出る可能性もあります。

また、肘関節伸展に関わる主な筋肉は上腕三頭筋であり、これも肩甲骨から上腕を通過して前腕まで走行しています。やはり肩関節を超えて肘関節をコントロールする筋肉なので、肘関節の異常が肩関節の使い方によって影響されることもあり得ます。

肘の痛みの治療

上腕骨外側上顆炎の症状

上腕骨外側上顆炎は男女どちらでも当然起こり得る症状ではありますが、患者数でいうと30~50代、さらに女性の方が多い傾向にあります。筋力の弱さやホルモンバランスも関係しているようです。

外側上顆炎を発症すると、伸筋群が原因であるにも関わらず、手関節の伸展や手指の伸展以外の動作でも、肘の外側に痛みを発生させます。

肘を伸ばすときや曲げるとき、前腕の回外、安静時でも肘の外側が痛むという症状があり、日常生活ではドアノブを回すときやタオルを絞るとき、キーボードを打つときや物を持ち上げるときに痛むなど、普段の生活にも大きく影響を及ぼすこともあるのです。

  • ・肘を伸ばすと痛い
  • ・肘を曲げると痛い
  • ・前腕の回外時に痛い
  • ・安静時でも肘の外側が痛む
  • ・ドアノブを回すと痛い
  • ・タオルを絞ると痛い
  • ・キーボードを打つときに痛む
  • ・物を持ち上げるときに痛む

打撲や捻挫のように、一度の外力で急に外側上顆炎になることよりも、日常生活の動作の中で少しずつ負担を蓄積して発症するケースが多いという特徴もあります。そのため、治癒させるためには治療が長期間に及ぶこともしばしばです。

上腕骨外側上顆炎の5つの治療方法

上腕骨外側上顆炎の治療を医療機関で行う場合、どのような方法がとられるのかを5つご紹介していきます。

1.電気治療

痛みがある肘の外側、前腕の筋肉を中心に低周波や干渉波の電気治療が行われることがあります。主な目的は前腕の筋肉で起きている緊張を取り除くことと、血流を良くすることです。

しかし、炎症であることと、筋肉の緊張による牽引力が原因で起きている症状であるという特徴から、電気治療をすることで稀に悪化するケースも見られます。

電気刺激が強すぎると、かえって自分の体を守ろうとする防衛本能が働き、逆に筋緊張を強めてしまうのです。そのような反応が見られた場合は電気刺激を弱めるか、別の保存療法を選択するべきです。

2.手技療法

前腕の筋肉をマッサージやストレッチでほぐすことが主な手技療法になります。上腕骨から指先まで走行している伸筋群もあるため、前腕だけでなく手指の動きを良くすることも重要です。

手指の動きが良くなれば、必然的に外側上顆の負担は減り、肘の外側の痛みが消えるのも早いです。そういった意味では、手の内在筋をマッサージやストレッチでほぐすということも、外側上顆炎の有効な治療と言えます。

3.温熱療法

外側上顆炎の患者の中には、お風呂に入った後には少し痛みが軽減するという方もいます。これは、温められることによって血流が良くなり、前腕伸筋群の緊張が和らいだことが考えられます。

赤外線などで外側上顆から前腕にかけて温熱療法を行い、その後に手技療法や運動療法を行うことで改善を早めることに繋げます。

4.運動療法

肘関節の正しい動かし方を身につける運動療法や、手関節、手指の関節の動きをスムーズにするための運動学習など、様々な運動療法が有効です。もちろん痛みの程度を見ながら、無理のない範囲で徐々に行うことが大切です。

その際、肩関節の動きを良くして可動域を広げることも外側上顆炎の治療では重要です。肩関節や肩甲骨の動きが肘関節を動かす筋肉の負担に繋がり、それが外側上顆炎に結び付くことが考えられるからです。

5.背骨の矯正

一見すると関係なさそうですが、外側上顆炎を改善するために背骨のゆがみ、さらには骨盤のゆがみを改善することは有効な手段です。姿勢が良くなることで肩甲骨や胸椎の正しい動き、スムーズな動きが獲得でき、肩関節の可動域が広がります。

肩関節の可動域が広がれば、肘関節にかかる負担も軽減することができ、結果的に手関節や手指の動きをスムーズに行うことができるのです。

外側上顆炎だからといって肘だけを集中的に治療するよりも、背骨のゆがみから改善していった方が早期に治癒が見込めます。その上、繰り返しの外力によって発生するという外側上顆炎の特性上、再発の予防にも繋がる治療なのです。

上腕骨外側上顆炎は再発する!その予防方法は?

上腕骨外側上顆炎は一度なってしまうと治癒まで比較的時間がかかる症状であり、一度良くなった後も再発するケースが多いのも特徴です。自分でできる改善方法、再発予防方法をご紹介していきます。

1.ストレッチ

前腕の特に伸筋群に疲労を溜めることで外側上顆炎のリスクが高まるので、前腕のストレッチをこまめに行うことが予防方法になります。外側上顆炎になった後はストレッチの動作でも痛みを感じることがあるので、痛みが軽減してから習慣にしてください。

やり方は簡単で、手関節の屈曲と伸展方向にゆっくりと伸ばすだけです。外側上顆炎の主な原因筋が伸筋群なので、手関節を屈曲方向に曲げれば伸筋群がストレッチできます。

しかし、伸筋群だけのストレッチでは外側上顆炎の再発予防としては不十分です。屈筋群に緊張があるままだと、日常生活の中でも手関節伸展がしにくくなり、余計に筋力を発揮させて伸展動作を行わなければならなくなります。

それが外側上顆にかかる負担を増す原因になるので、屈筋群も併せてストレッチしておくことが大切です。

2.肘と前腕を温める

基本的に冷えは筋肉の緊張を生みやすいので、自分でも温めるようにした方が改善の助けになります。お風呂でしっかり温まることはもちろん、電子レンジなどで蒸しタオルを作って肘の外側から前腕にあてておくだけでも良いセルフケアです。

安価な物でも良いので、肘全体を覆うタイプのサポーターをするのも冷え対策になるのでオススメです。

神経痛によって肘の外側が痛むこともあるので注意!

頚椎ヘルニアなど、首から上肢にかけて走行している神経が圧迫されることによって肘の外側で痛みを発生させている場合もあります。

頚椎ヘルニア・神経痛とは?

神経を圧迫している原因の代表は頚椎ヘルニアで、スマホやPCが大部分に普及してきた現代では発生頻度も高くなっている病態です。頚椎から派出する神経が上肢を走行し、その過程で肘の外側も支配しています。

頚椎ヘルニアが上腕の外側を支配する高さで起こっている場合、肘の外側が痛むということは十分考えられます。デスクワーク、バイクの長時間の運転、姿勢が悪いという既往などが頚椎ヘルニアのリスクを高めます。

頚椎ヘルニアで肘の外側に痛みが出ている場合、そこだけでなく肩甲骨の内側や外側、首自体での痛みも同時に発生しているケースがほとんどです。

もし痛みが肘の外側だけでなく、体幹に近い部分にもいくつか発生しているなら、神経症状であることを疑いましょう。その他の鑑別ポイントとしては、安静時でも常に痛い、頸部の伸展や回旋動作などで痛みが悪化するといったことです。

頚椎ヘルニア・神経痛の5つの治療方法

肘の外側で出ている痛みが神経痛であった場合、肘の動きをいくら良くしようが、前腕や上腕の筋肉をいくらマッサージしようが、根本的な解決にはなりません。神経が発生している背骨の部分から治療していく必要があります。

1.薬物療法

痛み止めの処方や、神経痛の際によく出されるビタミン剤が主な薬物療法で使われます。飲み続けることによって痛みを感じにくくなりますが、頚椎ヘルニアなど神経を圧迫しているものが解決されるわけではないので、薬物だけですべてを解決するのは難しいときもあります。

ただ、あまりの痛みは日常生活に支障をきたすので、それを防ぐ目的で使用するのが良いでしょう。

2.温熱療法

神経痛もやはり温めることが有効な治療方法になります。血流が良くなる上に筋肉の緊張が取れるため、神経の圧迫も軽減されることがあるのです。

3.牽引治療

整形外科などでは、頚椎を牽引して治療する方法になることが多いです。牽引することで背骨全体の筋肉がストレッチされ、神経の通り道を広くすることが期待できます。しかし、現状では牽引治療だけで治癒に至らないケースも多いです。

4.整体

姿勢を改善して首の負担を取り除くことや、関節の動かし方を改善して頚椎から出る神経を圧迫しないような体作りをしていきます。手術以外ではこれがかなり有効な治療方法でもあり、早期の改善と再発予防に繋がる可能性もあります。

5.手術療法

スポーツ選手など特別な事情が無い限りは稀な選択と言えますが、頚椎の手術が選択される場合もあります。頚椎というシビアな場所だけに、一般では最終手段的な立ち位置でもあります。

まとめ・肘の外側、何もしてないのに痛い!上腕骨外側上顆炎や神経痛かも

肘の外側で起きる痛みには、肘や前腕で問題が起きている場合と、頚椎など中枢に近い部分で問題が起きている場合と2種類あります。両者は治療方法も全く異なるので、どこで問題が起きているのか見極めるのが大切です。

当院は、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。

 

監修:リペアセルクリニック大阪院

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