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人工股関節術後に脱臼する可能性と生活の注意点をチェック

股関節に何らかの疾患を抱えてしまった場合、保存療法や関節鏡による手術でも改善が見込めない場合は人工関節に置換することが選択されます。人工股関節に置換すれば、早期から荷重をすることも出来ますし、左右の下肢の長さなど器質的な異常も改善することが出来ます。そんな人工関節置換術について、どんな症状や疾患の場合に適応されるのかということや、手術後の生活を送る上での注意点などをご紹介していきます。

股関節は球関節に分類される

股関節の一番の特徴は、なんといっても常に荷重がある関節だということです。立位はもちろん、座位でも股関節には体重がかかります。股関節は骨盤の骨と大腿骨の骨で構成されており、関節の形で分類すると球関節に該当します。球関節は運動の自由度が最も高い関節であり、様々な軸で関節を動かすことが可能です。股関節を前後に動かす屈曲や伸展という動作を筆頭に、左右に動かす外転や内転、下肢全体を捻る外旋や内旋といった動きは全て可能です。

関節包や関節唇で安定性を増している

股関節は荷重を大きく受ける球関節であるために、運動の自由度だけでなく安定性も求められる関節です。そのため、可動域の制限を最小限にとどめる範囲で関節包や関節唇が安定性を保っています。関節包や関節唇は、股関節にはまり込んでいる大腿骨頭をしっかり覆うように位置していて、靭帯なども強固に付着しているため脱臼の頻度は少ないです。関節唇には神経も通っており、損傷すると痛みを発生します。何らかの原因で大腿骨頭を取り囲む関節唇を損傷してしまうと、歩行や立ち上がりなど軽微な動作でも痛みを感じるようになってしまいます。

年齢と共に股関節疾患のリスクは上昇する

常に荷重がかかる関節であることも関係して、年齢を重ねると共に股関節関連の疾患を発症するリスクは上がっていきます。股関節の人工関節置換術など、大きな手術が適用になるケースは50代、60代以降の方に多いのが特徴です。また、大腿骨頭から股関節の関節面に伸びている大腿骨頭靭帯には、血流が豊富に流れているという特徴があります。関節軟骨の代謝など、股関節を栄養する血管の血流が悪化することによっても、股関節の機能が低下する原因になってきます。

股関節の疾患から二次的な症状が多く発生する

股関節に痛みがあったり、違和感があったり、何らかの股関節疾患を発症することによって二次的な症状を多く発生させるという特徴もあります。人間はどこかに痛みが出ると無意識にそこをかばって行動するようになり、股関節の使い方がおかしくなったり骨盤や背骨が歪んだりすることもあるのです。そこから腰痛や膝痛、周囲の筋肉の緊張が原因で起こる坐骨神経痛や梨状筋症候群など、様々な症状に繋がっていく可能性もあります。そういった二次的な症状が出てきた場合、股関節の疾患を改善するだけでは解決できないケースも出てくるのです。

股関節は人工関節置換術が選択される場合もある

疾患が起きた場合に手術が行われるケースは多々ありますが、股関節は人工関節置換術が選択される場合もある数少ない関節です。人工関節置換術は、基本的に膝関節か股関節に適応される外科的治療で、その他の治療方法が全く奏功しなかった場合に行われるケースが多いです。

股関節のその他の治療方法とは

保存療法

多くの整形外科的な股関節疾患に対しては、まず保存療法が行われます。内容は体重のかけかたや歩き方の指導、杖や車いすなど道具の使用方法といった生活指導が中心です。その他臀部や大腿部の筋力トレーニング、エアロバイクを使用した運動療法、水中での運動療法などが主です。手術を行うよりもリスクが少ない治療方法ではありますが、大腿骨頭壊死症など股関節の変形が強く進行している場合には荷重することで悪化させてしまうケースも考えられます。

薬物療法

薬物療法は保存療法の一つと考えることも出来ます。基本的には痛み止めや炎症を抑えるための薬が処方されます。ただ、荷重関節であるために薬を処方しても痛みが長期間続くことも多く、長期の薬物の服用によって副作用を起こす恐れも否定できません。薬を体内で処理するために腎臓に負担をかけたり、胃に負担をかけたりするので内臓の疾患に繋がってしまうかもしれません。薬物療法を行っている間も、主観的な痛みなどの感覚はもちろん、レントゲンやMRIなど客観的な評価でも治療の進行度を測る必要があります。

骨切り術

先天的な疾患でもある臼蓋形成不全によって股関節に痛みを発生させている場合、人工関節置換術ではなく骨切り術が選択されることがあります。臼蓋形成不全は、簡単に説明すると股関節が浅すぎるという器質的な問題がある疾患で、根本的には運動療法や薬物療法で解決することが難しい疾患です。骨切り術は、股関節の大腿骨頭がはまり込む寛骨臼というくぼみを深く切り抜き、大腿骨頭を深くはまりやすくするための手術です。形態的な部分から改善できるため、股関節の痛みはもちろん、将来的な変形性膝関節症などを予防することにも繋がります。

人工股関節の手術が選択される症状とは

人工股関節の手術を選択されるケースは、日常生活にかなりの支障をきたしたり、他の保存療法でも治療が困難であったりする場合です。どんな症状から人工股関節の手術に踏み切る場合があるのか、ご紹介していきます。

変形性股関節症

股関節の中にある関節軟骨の変形によって、関節内で慢性的な炎症を起こしてしまっている症状です。何か一度の外力で急に股関節の軟骨が損傷して変形してしまうというよりも、日常生活の中で負担を積み重ねて少しずつ変形を進行させるケースの方が多いと言えます。年齢と共に筋力が低下して股関節を支える力が無くなっていったり、姿勢が悪く股関節の動かし方が悪いせいで関節軟骨のすり減りを助長していたり、仕事の中で負担がかかることが多いなど理由は様々です。一度変形してしまった関節軟骨は元には戻らないので、痛みが強く常に続いている場合などは人工股関節の手術が適応になります。人工股関節の手術以外で治療をするなら、股関節の運動療法、背骨や骨盤の矯正による荷重の改善などが有効です。

大腿骨頭壊死症

大腿骨頭から関節内に流れる大腿骨頭動脈の血流が断絶され、大腿骨頭の骨細胞が徐々に壊死していく疾患です。アルコール中毒や、ステロイドの使用歴など、大腿骨頭壊死症に繋がる原因はいくつか指摘されていますが、決定的な原因が解明できない症状でもあります。そのため、大腿骨頭壊死症のほとんどが、原因不明の特発性と判断されているのです。大腿骨頭壊死症が見つかり次第すぐに人工股関節の手術が行われるわけではなく、経過観察されるケースもあります。壊死した骨が潰れるので、荷重がかかることによって痛みを生じます。壊死した部分に負担をかけないような体の使い方ができたとしたら、手術を回避することも出来るのです。しかし、運動の自由度が高い関節であるため、大腿骨頭の破壊は時間と共に進んでいき、最終的には人工股関節の手術になることが多いでしょう。

関節リウマチ

リウマチは自己免疫疾患とも呼ばれ、免疫が異常な動作を起こして体の健康な細胞を攻撃してしまう疾患です。手先など全身の関節で症状が出る可能性がありますが、股関節でもリウマチの症状を起こします。基本的には薬物療法で生活改善を試みることが多いですが、著しい歩行時痛や歩行困難など、日常生活動作に大幅な支障をきたしている場合は人工股関節の手術になります。しかし、健康な組織を攻撃してしまうという疾患の特徴ゆえに、リウマチが進行しすぎると人工股関節の手術さえできなくなることもあります。もし人工股関節の手術を視野に入れるなら、比較的早い段階で決断することが必要な場合もあるのです。

人工股関節の手術は年齢によっても変わる

一般的には、人工股関節の手術をするのは60代以降の年齢になります。日常生活の具合や、症状の程度、運動習慣などを加味して50代や40代で行われるケースもありますが、基本的には高齢になってから行うものです。というのも、人工股関節にも耐用年数があるからです。近年では技術の向上によって人工股関節の耐久も上がってきましたが、それでも20年くらいが1つの目安と言われています。もちろん股関節の使い方や、生活レベルによっても大きく左右されます。使えば使うほど摩耗していくことは当然なので、人工股関節の手術後にもスポーツや旅行などを楽しみたいという場合は、筋力を取り戻すリハビリも長期間にわたって行う必要があるわけです。

人工股関節の手術後に日常生活で注意すること

人工関節の手術をした後は、股関節に余計な負担をかけないように注意しなければならない点もいくつかあります。

脱臼肢位を避ける

人工股関節の手術後に最も怖いのは、脱臼してしまうことです。これも、近年では手術の技術や人工股関節の精度も高まり、心配は少しずつ軽減されてはいます。しかし、脱臼しやすい肢位を取ってしまうと、通常の股関節に比べて脱臼しやすい状態であることには変わりありません。股関節が深く屈曲するような体勢や、あぐらのように過度な外線外転肢位になると、脱臼のリスクが高まります。これらの動作は意外と日常生活の中でも頻繁に起こる姿勢で、例えばお風呂の低い椅子に座るなどすると股関節が深く曲がり込みます。床に座って前かがみになって靴下を履くときもそうです。正座をしたまま遠くの物を取ろうとした時も、股関節の屈曲が強くなります。意識していないとやりがちな体勢なので、人工股関節の手術後は注意を払いましょう。また、人工股関節の手術をした足を軸にして片足で立ち、高いところに手を伸ばすなどの姿勢も危険です。今度は股関節に伸展力が強く加わってしまうので、脱臼のリスクが高くなってしまうのです。とにかく、過度な屈曲伸展、外転や外旋などの動作を避けることです。

激しい運動を避ける

よく言われるのが、スキーやサッカー、バレーボール、バスケットボール、野球など激しくジャンプや捻り動作を行うスポーツを避けるべきだということです。人工股関節が脱臼してしまうリスクがあるとともに、人工股関節の摩耗を早めてしまいます。ただ、せっかく股関節の手術をしたのだから好きにスポーツを楽しみたいという考えもあります。その場合は動作を制限するなど、なるべく負担を軽減して楽しむことが大切です。運動すること自体は良いことなので、水中でのウォーキングや散歩など、人工股関節への負担が少ない活動を選ぶようにしましょう。

リハビリを長期間続ける

人工股関節の手術後は、筋力が低下しています。手術したことによって動作がしにくいということもありますが、人工股関節にしなければならないほどの症状を患っていたわけです。多くの場合は人工股関節に至るまでに、長年にわたって症状と向き合い続けてきています。その間に日常生活が大きく制限されるほどの痛みを伴っていたのですから、当然筋力は大きく低下しています。何年もかけて低下した筋力を、短期間で取り戻すのは難しいです。人工関節の手術後にどのくらいの生活レベルを目指すかにもよりますが、リハビリも長いスパンで計画を立てる必要があるわけです。

再生医療も発達してきている

今の日本では、再生医療をリードしようという動きもみられています。一度失ってしまった機能を、細胞移植によって再び取り戻そうという医学です。

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