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糖尿病の三大合併症とは|症状別の病期に現れる異常を知る

糖尿病の初期症状の特徴と原因|セルフチェックで早めの予防対策

 

糖尿病に罹患している患者の体には、血糖値の上昇によりさまざまな問題が起こります。特に注意すべきは合併症となりますが、合併症の種類や症状について理解できていない糖尿病患者も少なくありません。

合併用の中でも「三大合併症」と呼ばれる症状にスポットを当て、症状や進行度、治療方法などについて紹介していきます。正しい知識を身に着け、予防に取り組んでいきましょう。

糖尿病の三大合併症

糖尿病の三大合併症

糖尿病はさまざまな臓器に影響をおよぼす病気です。根本的な治療を行わず糖尿病を放置していると、病気が進行した結果、糖尿病合併症を発症するおそれがあります。

特に、以下の病気は三大合併症と呼ばれ、糖尿病と密接な関係があるとされています。

● 糖尿病性神経障害
● 糖尿病性網膜症
● 糖尿病性腎症

糖尿病の三大合併症は「神経障害」「網膜症(目の障害)」「腎症」の頭文字をとって「しめじ」と称されます。

以下にて、それぞれの病気について詳しく紹介していき

糖尿病神経障害

糖尿病による高血糖状態が続くと、感覚神経や自律神経、運動神経などに異常が発生します。

以下は神経障害による主な異常とその症状です。

〈神経障害による異常と症状〉
● 感覚の異常
・両手や両足先のしびれ、痛み
・皮膚感覚の低下

● 心臓や血圧調整の異常
・無痛性心筋梗塞
・起立性低血圧

● 目や顔面の異常
・顔面の麻痺
・眼球運動の異常

● 胃腸運動の異常
・下痢、便秘

神経障害によって起こる痛みには、内服薬での対処や生活習慣の見直しなど、改善のための血糖コントロールが欠かせません。

糖尿病性網膜症

糖尿病性網膜症は、高血糖により網膜の血管に異常が起こることで発症する、失明の原因にもなる深刻な合併症です。

初期段階では自覚症状がほとんどないため、違和感を覚えたときには病状が悪化している可能性があります。

網膜に存在する視細胞は、目に入った光を視覚情報として変換する働きがあります。

網膜症が進行して網膜の血管にダメージが生じると、詰まりや出血などが発生し、視界が不明瞭になる、視力が低下するなどの症状がみられるようになります。

糖尿病性網膜症の病期

引用元:スガオ眼科

糖尿病性網膜症の病気は以下の三段階に分けられます。

● 単純網膜症
● 増殖前網膜症
● 増殖網膜症

進行のスピードは人によって異なりますが、40~50代など比較的若い層の患者は病状の悪化が早い傾
向にあります。ただし、血糖コントロールを適切に行うことで、進行を遅らすことも可能です。

それぞれの進行段階について、詳しく見ていきましょう。

単純網膜症

単純網膜症は、糖尿病網膜症の初期症状です。視力には影響がないため、ほとんどの患者は発症していることに気づきません。

単純網膜症を発症すると、小さな点状の出血や、毛細血管が膨張しできる毛細血管瘤が生じます。また、硬性白斑という脂肪やたんぱく質の沈着によって起こるシミもみられます。

この時期であれば、血糖コントロールによって症状の改善が期待できます。

増殖前網膜症

単純網膜症が進行すると、増殖前網膜症に移行します。単純網膜症によって生じた血管の異常がさらに進むと、網膜に血液が十分に行きわたらなくなり、酸素不足が生じます。

そこで酸素欠乏を補うために、新しい血管(新生血管)をつくりだす準備がはじまります。

また、軟性白斑という血管の詰まりによって生じるシミもみられます。

この段階でも視力への影響はなく自覚症状として気づくことはありませんが、かすみ目が生じる場合もあります。

増殖網膜症

増殖前網膜症がさらに進行した状態が、増殖網膜症です。この段階になると、新生血管が網膜や硝子体に広がってきます。新生血管は破れやすいのが特徴です。

血管が破裂して硝子体出血が起こると、視界に黒い虫のようなものが見える飛蚊症が生じることがあります。出血量が多ければ、視力低下を引き起こすおそれもあります。

また、増殖膜が生じて網膜が引き寄せられ、牽引性の網膜剥離が生じることもあります。そうなると自然治癒は難しく、手術が必要となることもあります。

網膜剥離の際にも、飛蚊症や視力低下などの症状がみられます。

糖尿病性腎症

糖尿病性腎症は、糖尿病の経過中にみられる病気です。詳しい原因は明らかになっていませんが、高血糖状態が長引くことによる動脈硬化に発症の一因があると考えられています。

腎臓には毛細血管が集まってできた糸球体が存在します。糸球体は、血液内に含まれる老廃物などをろ過し、体外へ尿として排出する働きを担っています。

糸球体の血管が動脈硬化によって破れたり詰まったりすると、腎臓の働きが悪くなってしまいます。

腎臓の機能が低下していくにつれ、尿に含まれるたんぱく質が増える、血圧が上昇するなどの症状がみられるようになります。

腎症も初期段階では自覚症状が現れないため、気づかないうちに病気が進行していきます。

治療せずに放っておくと腎機能が低下し、最終的に慢性腎不全となるおそれもあります。

糖尿病性腎症の病期

糖尿病腎症の病期

糖尿病性腎症は、第1期~第5期の5段階で進行します。

● 第1期(腎症前期)
● 第2期(早期腎症期)
● 第3期(顕性腎症期)
● 第4期(腎不全期)
● 第5期(透析療法期)

ステージを分ける指標となるのは、尿アルブミン値または尿蛋白値と腎機能です。

進行速度には個人差があり、どの段階にあるかによって治療方法も変わってきます。

第1期~第5期までのそれぞれの症状について、順に紹介していきます。

第1期(腎症前期)

腎症前期では自覚症状がなく、検査しても尿アルブミン値は正常のため、腎症と判断することはできません。

腎症が進行することのないよう、普段の生活での食事療法による血糖コントロールや、血圧の管理が求められます。

また、この段階であれば食塩やカリウムの食事制限はありませんが、たんぱく質を摂りすぎないよう注意してください。

第2期(早期腎症期)

第2期にあたる早期腎症期では、尿検査を行うと微量のたんぱく質が検出されるようになります。これを微量アルブミン尿といいます。

● 自覚症状
 血圧が高くなる以外はほとんど自覚症状がみられません。
● 検査方法
 尿検査や血液検査
● 治療方法
 厳格な血糖コントロールと降圧治療を行います。同時に、食事ではたんぱく質の制限が行われます。この段階で適切な治療ができれば、たんぱく質が尿に含まれない状態まで戻すことも可能です。

第3期(顕性腎症期)

第3段階の顕性腎症期になると腎機能が低下し、さまざまな自覚症状がみられるようになります。尿に含まれるたんぱく質の量は、第2期より増えてしまいます。

● 自覚症状
むくみ、息切れ、胸の苦しさ、食欲不振、満腹感
● 検査方法
尿検査、血液検査
● 治療方法
厳格な血糖コントロールや降圧治療のほか、たんぱく質・食塩・カリウムの制限を行います。人によっては水分も制限します。この段階になると、腎機能を完全に元通りにすることはできません。

第4期(腎不全期)

第4期の腎不全期になると、腎臓の糸球体で老廃物を十分に濾し取ることができなくなります。

その結果、血中に毒素が蓄積されてしまい、尿毒症の発症を招きます。低血糖になりやすいことも腎不全期の特徴です。

● 自覚症状
むくみ、倦怠感、掻痒感、頭痛、吐き気、食欲不振、手足の痛み、貧血など
● 検査方法
尿検査、血液検査
● 治療方法
厳格な血糖コントロールや降圧治療、食事療法のほか、透析治療も行います。

第5期(透析療法期)

第5期の透析療法期になると、腎臓の働きはほとんど失われてしまいます。

慢性透析療法が取り入れられ、基本的に週3回の人工透析が必要になるほか、透析治療患者用の食事療法が行われます。5年後の生存率は約50%と、予後は良好とはいえません。

人工透析の効果がみられなければ、腎移植や膵腎移植などの手術を行うこともあります。

見てきた通り、糖尿病性腎症は進行するにつれて重篤な症状となるため、早期での発見が肝心です。

元の状態に戻すことも可能である、第2期までに腎症を発見し、適切な治療を行うことが大切です。

1型糖尿病で合併症を起こす確率

若年者の糖尿病では、1型糖尿病患者のほうが二型糖尿病患者と比較して合併症を起こす確率が低くなっています。

糖尿病の治療に影響を与える肥満が、1型糖尿病患者には少ないためではないかと考えられています。

まとめ

糖尿病では「糖尿病性神経障害」「糖尿病性網膜症」「糖尿病性腎症」の三大合併症に注意を払わなければいけません。

どれも初期段階では発症を自覚しにくく、気づいたときには病気が進行している可能性があります。こまめな検査で早期発見・治療を目指しましょう。

また、食事療法や運動療法、薬物療法などによる血糖コントロールでも、合併症のリスクは低下します。しっかりと糖尿病治療に取り組み、合併症を予防しましょう。

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