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糖尿病とは|種類と病態、原因と予防方法に迫る

糖尿病とは|種類と病態、原因と予防方法に迫る

「糖尿病は甘いものを食べすぎると発症する病気」としか捉えていない人もいますが、それは少し違います。

なぜなら糖尿病はもっと複雑で重大な病気だからです。

実は糖尿病にはいくつか種類があります。そのなかから、今回は1型糖尿病と2型糖尿病の違いを詳しく解説します。

さらに、糖尿病の治療方法や予防方法、改善策を紹介します。

糖尿病の種類

糖尿病には1型や2型、遺伝子異常によるものや妊娠によるものがありますが、ここでは患者の方の数が多い1型糖尿病と2型糖尿病について解説します。

それぞれ主な特徴は次のとおりです。

<1型糖尿病の特徴>
●特定の遺伝子との関連性がある
●10~20代が突然発症することが多いが、高齢者も発症することがある。
●自己免疫性と特発性がある

<2型糖尿病の特徴>
●日本の糖尿病患者の95%は2型
●遺伝的要因と環境的要因から発症する
●40歳以上に多い
●肥満傾向の人が発症しやすい

さらに詳しくみていきましょう。

1型糖尿病の病態と原因

1型糖尿病は、インスリンをつくっているすい臓のβ細胞が壊れることで発症します。

インスリンが減ったり、なくなったりすると体内の細胞が糖を取り込めなくなり、血中の糖の量が増えてしまうので血糖値が上昇してしまいます。

1型糖尿病は主に自己免疫性と特発性に分かれています。

自己免疫性の1型糖尿病は、免疫の異常によって自分のβ細胞を破壊してしまいインスリンが出せなくなることで発症します。

免疫は通常は細菌やウイルスと闘って「自分自身」を守りますが、免疫に異常が起きると「自分自身」を攻撃するようになるのです。

一方、特発性1型糖尿病の特発性とは「原因不明」という意味になります。つまり1型糖尿病とわかっても原因がわからないとき特発性1型糖尿病と診断されるのです。

1型糖尿病患者の方のなかには甲状腺疾患などの自己免疫疾患を合併していることもあります。

2型糖尿病の病態と原因

2型糖尿病の原因には、遺伝因子と環境因子があります。「因子」とは「原因となるもの」という意味です。

つまり2型糖尿病の発症原因は遺伝によるものか、環境によるものに分かれています。

遺伝因子とは、両親や血縁に糖尿病の患者の方がいる場合は普通の人より糖尿病発症の可能性が高いということです。

一方、環境因子とは食生活や運動などの生活環境のことを指しています。

食事によって血糖値が上昇するとすい臓からインスリンが分泌され、血糖値を下げます。しかし、食生活の悪化や運動不足などで生活習慣が乱れるとすい臓は大量のインスリンを分泌し続けることになり、疲弊してしまいます。

こうなってしまうと、インスリンの分泌量が低下することになります。

また生活習慣が乱れると肥満を招きます。肥満により脂肪が蓄積するとインスリンの効果が出にくくなります。これをインスリン抵抗性といいます。

この場合も、より多くのインスリンを分泌しようと、すい臓が働き疲弊してしまうことで分泌が悪くなり高血糖状態が続くことで発症します。

ほかにも、環境因子としてはストレスなどにも気をつける必要があります。

糖尿病の治療方法

糖尿病の治療方法について1型用の治療法と2型用の治療法にわけて説明します。

<1型糖尿病の治療法>

・インスリン補充療法:体内で不足しているインスリンを体外から注射器によって補充します。1型糖尿病は体内でインスリンを生成することができないので、治療ではインスリン療法が第1選択肢となります。

なお、2型は病状が悪化してからこの治療法に移行するケースが多いです。

・すい臓移植:ドナーから提供されたすい臓を1型糖尿病患者の方に移植する治療法です。ただ、ドナーの数が少なく、あまり多く行われている治療法ではありません。すい臓だけの移植が行われることはまれで、糖尿病が悪化して腎不全に陥った患者の方に、すい臓と腎臓を同時に移植する膵・腎同時移植を行うことが一般的です。

1型糖尿病患者の方も後述する食事療法や運動療法を取り入れます。

しかし、1型糖尿病患者の方はインスリンを生成する細胞が壊れているため、運動療法の効果は2型と異なります。

1型糖尿病は運動によってインスリンを生成する機能の回復は望めません。しかし運動するとストレスが解消されるので糖尿病治療に良い効果をもたらします。

また、運動することで体外から補給するインスリンの働きが高まることも期待できます。

<2型糖尿病の治療法>
2型糖尿病の治療では食事療法と運動療法が第1選択肢となります。特に2型は食生活の乱れや運動不足などの生活習慣の悪化で発症することが多いです。

したがって、1型糖尿病患者の方よりも食事療法や運動療法が重要になってきます。

・食事療法:食生活が乱れている方は、決められたエネルギー内で炭水化物、タンパク質、脂質からミネラルやビタミンまでバランスよく摂れる食事に切り替える必要があります。
・運動療法:運動はインスリンの作用を高める効果が期待できます。
・薬物療法:食事療法と運動療法で効果が出ない場合、飲み薬を使った治療に移行します。インスリンを出しやすくする薬(スルホニル尿素薬やDPP-4阻害薬など)やインスリンを効きやすくする薬(ビグアナイド薬やチアゾリジン薬など)、糖の吸収を調整する薬(α-グルコシダーゼ阻害薬など)などがあります。

食事、運動、薬物療法で効果が出なくなったら、2型糖尿病患者の方もインスリン療法に移行します。

糖尿病を予防・改善する方法

糖尿病を予防したり糖尿病の進行を防いだりするには「生活習慣を見直すこと」が欠かせません。

生活習慣の改善ポイントは食事と運動とストレスの3点です。

食事を見直す

食生活の改善は糖尿病治療の基本です。

したがって1型、2型どちらの患者の方も食事療法に取り組むことになります。食事で注意したいのは摂取エネルギーと栄養バランスです。

1日の摂取エネルギーを「標準体重(kg)×身体活動量(kcal/kg)」以内に抑えましょう。

標準体重は「身長(m)×身長(m)×22」で算出します。

身体活動量は仕事や作業によって次のように変わります。

・軽い労作(デスクワークが多い人):25~30kcal/kg
・普通の労作(立ち仕事が多い人):30~35kcal/kg
・重い労作(力仕事が多い人):35~kcal/kg

食事は炭水化物とたんぱく質と脂質をバランスよく摂る必要があります。各栄養素の割合は以下が目安になります。

・炭水化物:1日の摂取カロリーの50~60%
・たんぱく質:1日、標準体重1kg当たり1.0~1.2g
・脂質:1日の摂取カロリーの20~25%

さらにビタミンとミネラルも意識して摂りましょう。ビタミンもミネラルも食事のなかで摂ることが理想ですが、難しい場合はサプリで補いましょう。

また、食事では次のことも実行してください。

・ゆっくり食べる
・よく噛んで食べる
・夜遅くに食べない
・朝、昼、晩、3食しっかり食べる
・満腹まで食べない(腹八分目が理想)

運動をする

糖尿病の方は有酸素運動を習慣化してください。運動によって肥満が解消されるだけでなく、インスリンの働きもよくなります。

最も簡単な有酸素運動は歩くことです。1日1万歩を目標にしてください。

ただ、運動が苦手な人や運動習慣がない人は、1日15分ほどのウォーキングから始め徐々に増やしていきましょう。

糖尿病の方は運動により1日160~240kcalの消費を目指します。1万歩が大体160~240kcalになります。

次の運動を体重60㎏の人が行った場合、どれも100kcalほど消費しますので、これらを組み合わせて自分に合った運動メニューをつくってみると良いでしょう。

・ゆっくり散歩を30分
・速足のウォーキングを25分
・自転車を平地で20分走行
・早めのジョギング10分
・クロールで水泳5分

ストレスを軽減させる

ストレスを受けると血糖値が上がることがわかっています。このように、糖尿病は心理的要因や社会的要因も密接にかかわっているのです。

糖尿病患者の方はなるべくストレスを遠ざけるようにしましょう。

ストレスは会社だけでなく家庭でも発生します。まずは自分のストレッサー(ストレスの原因)を見付けることから始めると良いでしょう。

ストレス発散のために運動をすると運動療法にも寄与するのでおすすめです。

まとめ

糖尿病には1型と2型があり、それぞれ原因や発症メカニズムが異なります。さらにこの2種類の糖尿病は治療法も異なります。

ただし、食事療法、運動療法、ストレス解消といったことは、すべての糖尿病患者の方が取り組むべきです。

いずれの場合も異変を感じたらなるべく早い段階で医師の診察を受けることが大切です。

糖尿病は再生医療で
完治する可能性があります。

再生医療であれば、糖尿病の原因であるすい臓機能を治癒させることができる可能性があります。さかもとクリニックは国内でも再生医療を利用して糖尿病治療ができる数少ないクリニックです。糖尿病で悩まれている方は一度ご相談ください。