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糖尿病の生命予後|経過時間と進行する症状

糖尿病の生命予後|経過時間と進行する症状

糖尿病の治療におけるキーワードのひとつに「生命予後」があります。生命予後とは、病気を発症した後や治療をした後の「命の予測」や「健康の予測」のことです。

すなわち糖尿病は「命に関わる病気」と位置付けられているのです。

糖尿病の生命予後を解説したうえで、治療法について紹介していきます。

糖尿病の生命予後

病気を発症しても自然に治ることがあります。また治療によって病気の症状が消えることもあります。

その一方で、死に至る病や治療をしても完全には治せない病気もあります。

そのような病気や治療では、医師たちは「命をどの程度維持できるか」「どの程度健康が回復するか」「生活の質(QOL)はどの程度保たれるか」といったことを予測します。

なかでも、「命をどの程度維持できるか」を予測したものを生命予後といいます。

糖尿病は、治療を徹底することで生命予後を改善することもできます。

一方、いい加減に治療をしていると失明や足の切断、腎不全などの生活の質を著しく低下させる状況に陥ったり、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気につながることもあります。

このように目や足や腎臓などの臓器や器官などに支障が出ることを「機能予後の悪化」といいます。

糖尿病による合併症は生命予後や機能予後に大きな影響を与えます。さらに、合併症がどのくらい進行しているかによっても予後が変わってきます。

糖尿病の病期分類

糖尿病の症状は病気が進行すると著しく悪化していきます。そして糖尿病患者の方が警戒しなければならないのは次の3つの合併症です。

・糖尿病性腎症
・糖尿病性神経障害
・糖尿病性網膜症

上記はそれぞれ、腎臓の病気、神経の病気、目の病気です。

糖尿病には「前期」「初期」「早期」「中期」「晩期」「末期」の6つの病期があり、3つの合併症も病期が進むにしたがって重症化していきます。

糖尿病の病期は発症からの年月数や血液検査の結果、症状の悪化の度合い、合併症の状態によって決まります。

末期症状としては、糖尿病性腎症の場合は人工透析が必要になり、糖尿病性神経障害の場合は知覚が消失し、糖尿病性網膜症の場合は失明した状態になります。

糖尿病患者の余命

1998~2012年に実施された米国疾病予防管理センターの追跡調査によると、糖尿を持つ人はそうでない人と比べて4.6年早く死亡し、日常生活動作への障害が6~7年早く進行することがわかりました。

日常生活動作とは食事をしたり排泄をしたり着替えをしたりする生活の基本動作のことです。

一方で、日本の多くの医師や糖尿病の研究者たちが「糖尿病を発症しても治療次第で普通の人となんら変わらない生活を送ることができる」と言います。

寿命が短くなることも普通の生活を送れることも事実です。この明暗をわけるものは早期治療や適切な治療や生活の改善などです。

もし病期が進行したり合併症を発症しても、その病期や予後、合併症に応じた治療があります。

症状によって異なる予後

糖尿病には以下の2種類があります。

<糖尿病の種類>
●1型糖尿病
●2型糖尿病

それぞれの生命予後をみてみましょう。

<1型糖尿病の生命予後>
1型糖尿病は、インスリンを分泌するすい臓のβ細胞が損傷し、インスリンがほとんど分泌されなくなることで発症します。

したがって1型糖尿病の治療は体外からインスリンを補充するインスリン注射が主になります。

インスリン注射は基本的に、患者自身が朝、昼、夕の3食後に自分の体に打ちます。これを自己注射といいます。

1型糖尿病の患者の方は生涯にわたってインスリンの自己注射を続ける必要があります。インスリン注射をしないと高血糖になって合併症を引き起こすことになりますが、インスリンの投与量を多くしてしまうと低血糖になるため健康を著しく害します。

したがって、インスリンと血糖値をいかにコントロールするかが患者の方ご自身の生活の質(QOL)を左右することになります。

<2型糖尿病の生命予後>
1型、2型に関わらず、糖尿病の生命予後に大きな影を落とすのは合併症です。糖尿病に高血圧、肥満、高脂血症を加えた4つの症状が合併していることを「死の四重奏」と呼ぶこともあります。

特に2型糖尿病は食生活や運動不足などの生活習慣が原因で発症することが多いといわれています。

また、高血圧や高脂血症も生活習慣によって発症することが多い病気です。

そのため、2型糖尿病患者の方にとっては合併症を発症させないことが生命予後を左右することになります。

糖尿病の治療方法

糖尿病の治療には大きく次の3つのアプローチがあります。

<糖尿病の治療方法>
●インスリン治療における血糖管理
●食事療法で血糖値を抑える
●運動療法で血糖値を下げる

それぞれについて解説します。

インスリン治療における血糖管理

糖尿病の薬には飲み薬もありますが、ここではインスリン治療について解説します。

インスリン治療とは不足しているインスリンを注射を使って体外から補充する治療法です。これにより血糖値をコントロールすることができます。

インスリン治療に用いられる薬(インスリン製剤)には次の6種類があります。

医師は患者の方の血液検査の結果や体調、生活環境などを勘案し、適切なインスリン製剤を選択します。

<インスリン製剤の種類>
●超速効型インスリン製剤
●速効型インスリン製剤
●中間型インスリン製剤
●持効型溶解インスリン製剤
●混合型インスリン製剤
●配合溶解インスリン製剤

それぞれの特徴を紹介します。

<超速効型インスリン製剤>
インスリン製剤の効果が注射後10~20分に現れます。効果スピードが最も早いインスリン製剤です。ただ作用する時間は3~5時間しかありません。毎食前に投与します。

<速効型インスリン製剤>
注射後30分~1時間程度で効果が出ます。作用時間は5~8時間です。毎食、約30分前に投与します。

<中間型インスリン製剤>
速効型と持効型の中間に位置するインスリン製剤で、効果が現れるのは注射後30分~3時間後です。作用時間は18~24時間です。朝食前に投与します。

<持効型溶解インスリン製剤>
1日1回投与します。効果が現れるのは注射後1~2時間で、1日中作用します。

<混合型インスリン製剤>
「超速効型または速効型」と「中間型」を混合したインスリン製剤です。食事の直前または食事の30分前に注射することが一般的です。

持続時間は中間型インスリン製剤とほとんど同じです。

一方、混合型インスリン製剤は、作用時間の異なる薬を混合しているため、超速効型(または速効型)と中間型それぞれの作用時間で効果が見られるという特徴があります。

混合されているインスリンの種類によって注射を打つ時間が変わってきます。

<配合溶解インスリン製剤>
持効型7:超速効型3の割合で配合したインスリン製剤です。医師が指定した食事の前に注射します。早く効果が出ながら、作用時間が1日中作用します。

食事療法で血糖値を抑える

食事療法で血糖値を抑えるポイントは次の7点です。

●1日3回の規則正しい食事を心がける
●ゆっくり食べる
●よく噛んで食べる
●炭水化物とたんぱく質と脂質をバランスよく摂る
●満腹にしない(腹八分目を心がける)
●夜遅く食事をしない
●寝る直前に食事しない

糖尿病治療では「食事療法」といっても食べてはいけないものはありません。

むしろ、バランスよくいろいろなものを食べることが大切です。特に野菜が苦手な方は意識して野菜を多く食べましょう。

また食事の量も重要ですので、医師が指示した「1日の摂取エネルギー」は厳格に守ってください。

運動療法で血糖値を下げる

食事療法だけでなく、運動療法も糖尿病治療に効果的です。運動することによって糖が細胞に取り込まれやすくなるからです。

血糖値を下げる効果が期待できるのは次の2つの運動です。

●有酸素運動
●筋力トレーニング

有酸素運動とはウォーキングや水泳やジョギングなどのことです。

有酸素運動によって糖が筋肉へ取り込まれ、血中の糖が消費されやすくなることで、血糖値を下げる効果が期待できます。

筋肉が増えるとインスリンの効果が高まるので、筋力トレーニングも血糖値を下げる効果が期待できます。

まとめ

糖尿病は放っておくと命に関わる病気へと進行していきます。その一方、しっかり治療に取り組めば普通の生活を送ることが期待できます。

生命予後を決めるのは適切な治療と生活習慣の改善です。そして糖尿病の初期段階から治療に取り組むことも生命予後によい効果をもたらします。

「糖尿病かな?」と感じたら、お近くの内科クリニックや糖尿病専門クリニックにかかるようにしてください。

糖尿病は再生医療で
完治する可能性があります。

再生医療であれば、糖尿病の原因であるすい臓機能を治癒させることができる可能性があります。さかもとクリニックは国内でも再生医療を利用して糖尿病治療ができる数少ないクリニックです。糖尿病で悩まれている方は一度ご相談ください。