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糖尿病の治療に使う飲み薬の種類は?効果的に治療するための服用方法

糖尿病の治療に使う飲み薬の種類は?効果的に治療するための服用方法

糖尿病の治療では、さまざまな薬が使われています。それぞれの薬にはどのような効果があるのかを正しく知り、治療に取り組みましょう。

ここでは、糖尿病治療において処方される主な薬について紹介します。

糖尿病治療に使用される薬の作用

糖尿病は、膵臓のインスリン分泌が不十分になる、またはインスリンが体内の器官にうまく作用しなくなる病気です。

インスリンが働かなければ血中のブドウ糖が増えすぎてしまい、血糖値が上昇します。高血糖の状態が続くと懸念されるのが、糖尿病合併症です。

腎症や網膜症、神経障害、脳梗塞、心筋梗塞など、さまざまな疾病につながる可能性があります。適切な治療を継続し、糖尿病改善に努めなければいけません。

糖尿病の治療では食事や運動などの生活習慣に気をつけながら、治療薬を用いるのが基本です。糖尿病の診断を受けた際に処方される薬には、主に4つの作用があります。

〇インスリンの分泌を促進
〇インスリンの効果を高める
〇糖の吸収を調節
〇糖の排泄を調節

これら薬の主な作用を理解し、糖尿病治療に生かしましょう。

糖尿病治療薬の種類

糖尿病治療薬には、いくつかの種類があります。患者の方それぞれの状態によって、処方される薬は違います。

ここでは、薬の働きや種類別に、効果や注意点などをご紹介していきます。

膵臓からのインスリンの分泌を助ける薬

スルホニル尿素薬(su薬)

スルホニル尿素薬(su薬)は膵臓のランゲルハンス島に作用し、インスリンを分泌させることで血糖値を下げる薬です。

食前30分前、もしくは食後に服用します。薬を飲んでから効果が出るタイミングについては、商品によってさまざまです。

服用後徐々に効果を発揮し、はやいものだと1.5時間、遅いものだと33時間かけて薬の血中濃度を上昇させていきます。

効果が持続する時間は短いもので6時間、長いもので60時間ほどが目安です。

スルホニル尿素薬を服用するうえで注意したいのは、体重増加です。特に運動習慣がなく、食事内容も改善されていない場合、薬の服用で脂肪細胞が肥大することがあります。

また、スルホニル尿素薬は食事や運動でインスリンの分泌量が改善せず、空腹時血糖値が高いという方に向いています。

スルホニル尿素薬は空腹時だけではなく、食後の追加分泌を増加させる効果もあります。ただし、インスリン分泌の低下が進んだ状態だと追加分泌の効果が得にくくなります。

この状態で食後高血糖の治療のためにスルホニル尿素薬を増量すると空腹時血糖値が下がりすぎ、空腹感が上昇してしまいます。結果、食べる量が増えて肥満につながってしまうのです。

速効型インスリン分泌促進薬

速効型インスリン分泌促進薬は、インスリンが分泌する速度をはやめる働きがあります。食事10分程度前に飲むことで、食後の血糖値上昇を防ぎます。薬が効き始めるまでの時間と、効果持続時間はともに短めです。

ただし、服用後に食事をとらない状態が長く続くと低血糖を引き起こすおそれがあり注意が必要です。

血糖値を下げる薬を併用している場合や、肝機能や腎機能に問題がある場合は、低血糖となるリスクが高まります。すでに服用中の薬がある場合は必ず医師に伝えておきましょう。

DPP-4阻害薬

インクレチンというホルモンには、血糖値を下げるインスリンの分泌を促進し、血糖値を上げるグルカゴンの分泌を抑制する働きがあります。

しかし、インクレチンはDPP-4という酵素によって分解されてしまうため、それを避けるべくDPP-4の効果を抑制する薬がDPP-4阻害薬です。

飲むのは1日1回~2回、薬によっては週1回で、効果は長時間持続します。薬が効き始めるまでの時間は薬剤によって異なり、血中濃度半減期も6時間や24時間などさまざまです。

副作用は吐き気や便秘などの胃腸障害や低血糖です。インクレチンは血糖値が高くなったときにのみ作用するため低血糖の心配はほとんどないともいわれています。

しかし、スルホニル尿素薬など血糖値を下げる薬と一緒に飲んでしまうと、低血糖が起こる可能性があります。また、腎機能や肝機能に障害のある方には、処方されないこともあります。

GLP-1受容体作動薬

食事を摂ると小腸にある一部の細胞が刺激され、消化管ホルモンを分泌します。このなかには膵臓内のβ細胞を刺激、インスリン分泌を増加させるものもあります。

このホルモンをまとめて「インクレチン」と呼んでいます。GLP-1とはインクレチンのひとつで、インスリンの分泌を増やします。

この薬は2型糖尿病患者の方に向いており、初めて投薬を行う方から、投薬を行っていてもHbA1cが目標値に達しない方まで広く使われています。

その反面、インスリンをほとんど生成できない1型糖尿病の患者の方には適しておりません。

GLP-1は分解されやすいため、GLP-1受容体作動薬を投与することで、体内に不足しているGLP-1が補えます。

GLP-1受容体作動薬は注射にて投与する薬で、たいていは患者の方自身が自分で注射を行います。種類によって半減期に差があり、短いものは1.5時間程度、長いものは100時間以上になるものもあります。

そのため、投与の頻度も1日1回のものから週に1回のものまでさまざまです。

主な副作用は胃腸障害や低血糖です。ただ、GLP-1受容体作動薬は空腹時に作用しないため、低血糖になる可能性はそれほど高くありません。

しかし血糖値を下げる薬との併用時は注意が必要です。

インスリンを効きやすくする薬

ビグアナイド(BG)薬

ビグアナイド薬には、インスリンの感受性を高める効果や、肝臓が過剰にブドウ糖を放出するのを防ぐ効果、小腸が糖を吸収するのを抑制する効果などがあります。

服用は食後ですが、1日を通して体の血糖値を下げる働きが期待できます。血中半減期は短いもので1.5時間、長いもので4.7時間ほど。効果はだいたい6時間から14時間ほど続きます。

ビグアナイド薬にはインスリンの分泌を促す作用はないため、低血糖のリスクはそれほど高くありません。

ただし、お酒を飲んだり、そのほかの血糖値降下薬と併用したりすると低血糖の可能性が上がります。

また、稀に乳酸アシドーシスという意識障害が発生することもあります。

インスリン抵抗性改善薬

インスリン抵抗性改善薬は、インスリンへの感受性が弱まっているタイプの糖尿病患者の方に処方されます。

インスリン抵抗性物質の数を減らし、インスリンの効き目をよくすることで血糖値を下げるアプローチが期待されます。

服用のタイミングは食後となり、血中半減期は5時間程度です。5時間を過ぎると徐々に減少へ向かいます。作用時間目安は20時間ほどです。

主な副作用はむくみや体重増加、肝障害などで、低血糖が起きる確率は高くありません。食事のコントロールや適切な運動など、生活習慣の改善が重要になります。

糖の吸収を調整し、食後の高血糖を改善する薬

α-グルコシダーゼ阻害薬

α-グルコシダーゼ阻害薬は、インスリンの分泌にかかわる薬ではなく、食事の消化速度を抑制して血糖値を低下させる薬です。1日3回、食事の直前に服用します。効果が発現するまでの時間や作用時間は短めです。

α-グルコシダーゼとは、小腸にて糖質を分解する酵素のことです。糖質は小腸で分解されてブドウ糖になり、血中に運ばれます。

健康な状態ならすぐにブドウ糖を吸収できますが、糖尿病患者の方の場合では高血糖になってしまいます。α-グルコシダーゼ阻害薬には、糖質を分解するスピードを遅らせることで、血中のブドウ糖を増やしすぎない作用が期待されます。

ただし、炭水化物の消化が遅れるため、腹部のはりやおならの増加など、消化器に何らかの症状が起こる可能性があります。また、肝機能についても注意が必要です。

糖の排泄を調整する薬

SGLT2阻害薬

健康な状態の体から、糖が排泄されることはありません。血中のブドウ糖は腎臓で再吸収され、体内へ戻ります。

SGLT2阻害薬は、腎臓からのブドウ糖再吸収を抑制することでブドウ糖の血中取り込みを防ぎ、あえて尿中に糖を放出し、体外に排泄する薬です。服用は1日1回、朝食の前後どちらかに行います。体の吸収は早めで、1.5時間ほどで半減期になります。

SGLT2阻害薬は新しい薬のため、副作用についてはよくわかっていませんが、尿の回数が増えることによる脱水症状や、泌尿器の感染症などが起こる可能性が考えられます。

体重減少の副作用もありますが、糖尿病患者の方にとってはかえってメリットとなることもあります。

まとめ

糖尿病にはさまざまな症状があり、それに合わせた治療薬が処方されます。インスリンの分泌・感受性にかかわる薬や、糖の吸収・排泄にかかわる薬など、作用するポイントは薬によって異なります。

ご自身が処方されている薬はどういったものなのか、しっかり確認するようにしましょう。特に服用のタイミングや副作用について把握しておくのは大切です。

食生活や運動習慣の改善にも取り組みながら、治療薬と適切に向き合っていきましょう。