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糖尿病の注射治療とは|血糖値を下げるインスリン注射のうち方・注意点

糖尿病のインスリン注射

糖尿病の治療のひとつである「インスリン注射」に関する知識は、患者の方本人やその家族はもちろんのこと、糖尿病予備軍の人や生活習慣病が気になっている方も、ぜひ身につけておいてください。

インスリン注射は「自己注射」という手法を使うため、患者の方の協力が欠かせない治療だからです。

インスリンはすい臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる効果があります。インスリン注射は、飲み薬では血糖値を下げられなくなった重症の糖尿病患者の方に、体外からインスリン「そのもの」を直接投与する治療法です。

ここでは、インスリン注射の治療方法と注意点、インスリンの基礎知識について紹介します。

糖尿病治療に使用される血糖値を下げる注射の種類

糖尿病時の注射器を使う薬には、インスリン「そのもの」であるインスリン製剤のほかに、GLP-1受容体作動薬という薬もあります。

それぞれの特徴をみていきましょう。

GLP-1受容体作動薬

糖尿病は、すい臓から出てくるインスリンが出にくくなる病気です。GLP-1受容体作動薬を注射で投与すると、インスリンが出やすくなります。

インスリンの分泌量が減ると、血糖値を上げてしまうグルカゴンというホルモンの血中濃度が高くなってしまいます。

GLP-1受容体作動薬を注射投与するとインスリンが出てくるようになるので、グルカゴン濃度が低下し血糖値も下がるのです。

GLP-1受容体作動薬には、1日1回の注射が必要なタイプと、1週間に1回の注射で効果が期待できるタイプがあります。

GLP-1受容体作動薬の効果は患者の方の血糖値に応じて作用するので、肝臓への負担が少なく、低血糖を引き起こしにくい、という2つのメリットがあります。

また食べ物の消化スピードが遅くなるので食欲を抑制するという「もうひとつのメリット」もあります。
副作用としては下痢と便秘、吐き気などが報告されています。

インスリン製剤

インスリン製剤は、インスリンそのものを体外から補充する薬です。注射で投与するため即効性があり、血糖値が急激に上昇し昏睡状態に陥ったときにも使われます。

急変時だけでなく、インスリンを補充しないと生命を維持できなくなっている糖尿病患者の方や、血糖値を良好に保つ必要がある方、飲み薬だけでは血糖値をコントロールできない方などにも、インスリン製剤を注射する治療法が有効であるとされています。

インスリンとは?

インスリンはホルモンの一種です。ホルモンとは臓器などの機能を調整する成分の総称で、ホルモンが増えすぎても少なすぎても体調に支障をきたしたり、健康を害したりします。

糖尿病はインスリンが少なすぎて「血糖値が上昇するという支障」が起きる病気です。

血糖とは血液中の糖のことです。糖は細胞のエネルギーになるので、糖自体が健康を害するわけではありません。血糖値が高すぎることが問題なのです。

糖分を含む食材を食べると体内でブドウ糖に分解され、小腸から血液に糖が供給されます。細胞は糖を取り込むときに、インスリンの力を借ります。

したがってインスリンが分泌されなかったり減ったりすると、細胞は糖を取り込むことができず、糖は血中に存在し続けます。その結果、糖の血中濃度が上がり高血糖になってしまうのです。

インスリン治療はなぜ必要?

以下のような症状の方は、インスリン治療が必要になります。

・すい臓からインスリンがほとんど分泌されない1型糖尿病の方
・生活習慣の悪化などで2型糖尿病を発症し、インスリンの分泌が少ない方
・「糖毒性」を起こしている方
・やせすぎていて栄養状態が低下している方

すい臓から分泌されるインスリンの量が減ると高血糖を招き、高血糖がさらなるインスリン量の低下を招く悪循環のことを、糖毒性といいます。

ではなぜ高血糖がインスリン量の低下を招くのでしょうか。高血糖になると既に弱っている、すい臓が更にインスリンを多く分泌しようと働きます。

そうすると、すい臓は疲弊していき結果的にインスリンを分泌する能力を低下させてしまうのです。

薬

インスリン注射の仕方

インスリン注射を使った治療には、ペン型の注射器を使います。ペン型の注射器も、「筒の中に入った液体の薬を押し子という部品で押し出して針先から出す」という構造で、普通の注射器と同じです。

ただペン型注射器は、

① 注射針が細く短い
② 患者の方自身が片手で操作できるように押し子が特殊な形状をしている
③ 液体の薬は最初から注射器のなかに入っている(患者さんが注入する必要はない)

という特徴があります。

インスリン注射投与は毎食後に行うこともあるので、その都度医療機関にかかることは現実的ではありません。

そこで医師の処方のもと、患者の方が自分でペン型注射器を握り、自分の体に針を刺して薬を投与する必要があります。

自己注射は医療行為なので、インスリン注射の仕方はしっかり覚えておいてください。

注射の打ち方

インスリンの自己注射では、腹部(おなか)、上腕部の外側、臀部(おしり)、大腿部(太もも)の外側などに針を刺します。

それらの部位は医者と相談して決めます。針を刺す場所は薬の効果の出かたに影響を与える可能性があるため、医師の指示通りの場所に打ってください。

また、例えば「腹部に注射する」と決めた場合でも、毎回まったく同じ場所に打たないようにします。まったく同じ場所に連続して針を刺すと皮膚がへこんだり膨らんだりしてしまうからです。

腹部であれば「大体の範囲」を決め、その範囲のなかで前回刺した場所から2~3センチ離すようにしてください。「針を刺す」といっても、ペン型注射器の針は極細なので痛みはほとんどありません。

注射はいつまで打つ?やめることはできる?

インスリン注射を使った治療は長期化することもありますが、一生打ち続けなくてもよい場合もあります。

インスリン注射を始めるとすい臓は「休憩」することができ、その間にインスリン分泌機能が回復することがあります。

そうなればインスリン注射を中止して飲み薬に戻すことができるかもしれません。

またインスリン注射を開始したからといって、すい臓の残存機能がなくなってしまうということはありません。

頭を抱える女性

インスリン治療時は低血糖に注意

血糖値は適正値を維持しなければなりません。血糖値は高すぎるだけでなく、低すぎても健康を害するのです。

インスリン注射は血糖値を下げる薬ですので、投与量や投与するタイミングを間違えると体内の血糖値が低くなりすぎて低血糖症を引き起こしてしまいます。

低血糖症になると、動悸、冷や汗、手足の震えなどが生じ、重症になると意識障害やけいれんを引き起こします。

ただ、低血糖症を必要以上に警戒する必要はありません。医師はインスリンの自己注射を始める糖尿病患者の方に、低血糖症の症状が起きたときの対処法を教えます。

また、低血糖になることを警戒しすぎて、患者の方自身の判断でインスリンの投与量を減らしたり中止したりしないでください。

まとめ

インスリン注射は、患者の方が自分で自分に注射をする治療法です。しかし難しいことはなく、子供や高齢者の患者さんでもインスリン注射治療を問題なく継続しています。

不安があれば、かかりつけの病院やクリニックに相談してください。

インスリン注射治療は高い効果が期待でき毎回医療機関にかからなくてよいため、使用方法をしっかり守っていれば、利便性が高い治療法といえます。

糖尿病は再生医療で
完治する可能性があります。

再生医療であれば、糖尿病の原因であるすい臓機能を治癒させることができる可能性があります。さかもとクリニックは国内でも再生医療を利用して糖尿病治療ができる数少ないクリニックです。糖尿病で悩まれている方は一度ご相談ください。