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糖尿病で人工透析になったら|費用や予後について解説

糖尿病で人工透析になったら|費用や予後について解説

糖尿病は初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、進行すると糖尿病性腎症などの合併症を発症することがあります。糖尿病性腎症は初期段階であれば血糖コントロールで対処が可能ですが、進行すると人工透析を導入する必要があります。

人工透析の導入には判断基準(透析導入基準)があり、症状や腎機能などを踏まえて導入時期を考えていくことになります。

この記事では、人工透析の導入時期や費用などの概要や人工透析後の生活、予後について解説します。

糖尿病と人工透析

日本透析学会によると、2017年末の時点で日本で慢性透析療法を受けている患者数は約33万人であり、患者数は年々増加していることがわかっています。さらに慢性透析患者の原因疾患としては糖尿病性腎症が最も多く、約39%を占めています。

人工透析を導入する際には以下のことを確認しておく必要があります。

・人工透析を始める時期
・人工透析の費用
・人工透析の副作用

人工透析を始める時期

人工透析を始める時期については、透析導入基準に従い、臨床症状、腎機能、日常生活障害度の合計点数が60点以上の場合に透析療法の導入が必要と判断することになります。

【臨床症状】

以下の7つの臨床症状のうち、3つ以上当てはまる場合は高度(30点)、2つ以上の症状で中等度(20点)1つの症状で軽度(10点)として計算します。

・体液貯留(全身性浮腫、高度の低蛋白血症、肺水腫)
・体液異常(管理不能の電解質・酸塩基平衡異常)
・消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、下痢など)
・循環器症状(重篤な高血圧、心不全、心包炎)
・神経症状(中枢・末梢神経障害、出血傾向)
・血液異常(高度の貧血症状、出血傾向)
・視力障害(尿毒症性網膜症、糖尿病性網膜症)

【腎機能】

腎機能

【日常生活障害度】

・尿毒症症状のため起床できないもの・・・高度(30点)
・日常生活が著しく制限されるもの・・・中等度(20点)
・通勤、通学あるいは家庭内労働が困難なもの・・・軽度(10点)

人工透析の費用

1カ月に人工透析治療に必要な費用は患者1人当たり以下の金額となります。

・外来血液透析:約40万円
・腹膜透析(CAPD):30~50万円

腹膜付籍(CAPD)とは、在宅での透析療法になります。

このように、人工透析には高額な費用がかかりますが、患者の自己負担を軽減するための公的助成制度もあります。次で詳しく説明します。

人工透析の医療助成制度

人工透析の医療費助成制度には以下のようなものがあります。

・自立支援医療(更生・育成医療)
・重度心身障害者医療費助成制度

自立支援医療(更生・育成医療)

自立支援制度とは、障害者(児)の身体的障害を軽減するための医療費について、自己負担分を国が助成する医療制度です。更正医療は18歳以上、育成医療は18歳未満が対象になります。助成を受けるためには身体障害者手帳の交付を受けていること、治療を受ける医療機関が自立支援医療機関の指定を受けていることなどの条件があります。

重度心身障害者医療費助成制度

重度心身障害者医療費助成制度とは、身体障害者手帳1、2級の障害者が医療を受けた際に、自己負担分に対して各自治体が助成を行うという制度です。自治体によって制度の名称や助成対象、所得制限の有無や負担金額が異なるため、お住まいの自治体に確認しましょう。

このほか特定疾患にかかる高額療養費の特例制度を適用した場合、自己負担額を上限1万円まで抑えることができます。

高額療養費の特例や自立支援医療、障害者医療費助成制度をすべて利用すれば、自己負担額が実質0円になるケースもあります。

なお、これらの制度は所得によって助成金額や上限金額が変わることがありますので必ず確認しましょう。

人工透析の副作用

人工透析導入直後は以下のような副作用が起こることがあります。

・穿刺部の痛み
・不均衡症侯群(透析導入後の頭痛や嘔吐、吐き気など)
・血圧低下
・低血糖発作
・うつ症状

穿刺部の痛みは慣れると我慢できるようになります。

うつ症状と人工透析は一見関係なさそうに思えますが、定期的に人工透析を続けていくことに対して落ち込んでしまい、うつ症状が現れることがあるようです。「透析することで生き続けることができている」とポジティブに考え、透析中の時間を有効活用するなど頭を切り替えるようにしましょう。

人工透析患者の予後

人工透析患者の数は年々増加していると説明しましたが、主な原因疾患である糖尿病性腎症患者の数も年々増加しています。また、糖尿病性腎症患者数は女性よりも男性のほうが圧倒的に多くなっています。

人工透析導入したあとの予後はどうなるのでしょうか。以下のポイントにわけて説明します。

・人工透析後の5年生存率
・人工透析後の平均余命

人工透析後の5年生存率

日本透析医学会によると、2008年の人工透析導入患者の5年生存率は59.8%で、1992年以降に人工透析を導入した患者で生存率が改善していることがわかっています。また、20年、25年生存率はともに減少傾向であるものの、1年生存率に関しては一貫して増加傾向にあることが報告されています。

人工透析後の平均余命

人工透析後の余命には個人差がありますが、人工透析導入後の平均余命は健康な方と比べて約半分になるといわれています。さらに、人工透析後は健康な人の2倍の早さで老化が進むといわれています。

例えば2003年のデータによると、50歳男性の平均余命が30年ですので、同じ年齢の透析患者の方は余命が15年程度になるということです。2017年末時点での人工透析導入年齢の平均は68.43歳です。68~69歳の男性の平均余命は15年程度ですので平均余命は10年を切ることになります。

人工透析中の生活

人工透析療法を受けることになった場合は予後を悪くしないための生活を心がけることが大切です。そのためにも自己管理が非常に重要になります。

人工透析中の食事

人工透析中は以下のポイントを押さえた食事を摂ることが大切です。

・十分な食事を摂る
・カリウムの制限
・水分と塩分の制限
・禁酒

腎機能が低下してしまうと、電解質であるカリウムの排泄量が低下し、高カリウム血症を起こすリスクが高まります。カリウムはお湯や水に溶ける性質があるため、野菜を摂取する際は流水にさらしたり、茹でこぼすことでカリウムの摂取量を減らすことができます。

人工透析中の注意点

人工透析中は食事だけでなく、以下のことに注意して生活することが重要です。
・シャントを守る
・適度な運動
・十分な睡眠
・体重管理

シャントとは腕などに外科的に作る特殊な血液回路をいいます。シャントを感染や閉塞から守るためにも、透析日は入浴を避け、シャワーにとどめておきましょう。また、シャント側の腕を下にして眠ったり、シャント側の腕で重いものを持つことや腕時計を付けることを避け、採血や血圧測定などをしないことも重要です。

また、薬を処方されたら決められた量や服用時間を守ることも大切です。これにより、処方された薬の効果を効率よく発揮させ、副作用を防ぐことにつながります。

まとめ

人工透析の概要や人工透析後の予後などについて説明しました。

糖尿病性腎症は人工透析導入にいたる原因として最も多い疾患です。人工透析後は予後が悪くなることが多いため、糖尿病性腎症は初期段階で食い止めることが大切になります。

もちろん、人工透析後の自己管理を徹底すれば、透析を続けながら長期間生活し続けることも不可能ではありません。人工透析を導入することになった場合は医師の指示にしたがい、自己管理に努めることが大切です。

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