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糖尿病による湿疹|皮膚病変の症例と対策方法

糖尿病による湿疹|皮膚病変の症例と対策方法

糖尿病と診断されたあと、それが原因で皮膚に湿疹ができることがあります。しかし、健康な人でも湿疹ができることがあるため、自分の症状が糖尿病と関係性のあるものなのかどうか気になりますよね。

この記事では糖尿病によって起こる湿疹の特徴や予防法について解説します。

糖尿病による湿疹

糖尿病による湿疹には主に以下の2つがあります。

・後天性反応性穿孔性皮膚症
・皮膚感染症

それぞれの湿疹の原因や症状を以下で詳しく見ていきます。

後天性反応性穿孔性皮膚症

後天性反応性穿孔性皮膚症は糖尿病患者に好発する比較的稀な皮膚疾患で、表皮に変性膠原線維(変性した皮膚成分)が排出することが特徴です。後天性反応性穿孔性皮膚症は糖尿病だけでなく慢性腎不全の合併症として発症することもあります。

後天性反応性穿孔性皮膚症の原因

後天性反応性穿孔性皮膚症の発症メカニズムははっきりとは解明されていませんが、以下の仮説が考えられています。

糖尿病は高血糖状態が続く病気です。このとき、真皮のコラーゲンやエラスチンは血液中の糖や酸化物によって終末糖化産物(AGE)を生じます。糖尿病患者は皮膚の乾燥や皮膚掻痒が見られることが多く、皮膚を頻繁に掻いてしまい、表皮が傷つきます。これにより、表皮細胞とAGE化コラーゲンが接触して、皮膚外に排出されるようになるといわれています。

後天性反応性穿孔性皮膚症の主な症状

後天性反応性穿孔性皮膚症は、クレーター状のくぼみに色素沈着した角化性丘疹や結節が見られることが特徴です。

 

 

 

 

 

引用元:ラジオNIKKEI「マルホ皮膚科セミナー

後天性反応性穿孔性皮膚症の症状例

後天性反応性穿孔性皮膚症はARPC(acquired reactive perforating collagenosis)と呼ばれ、クレーター状のくぼみに角栓を有する色素沈着性丘疹や結節が見られることを特徴とする病気です。

東京女子医科大学では、1997年に糖尿病専門治療施設が糖尿病性慢性腎不全に合併したARPCを報告以降、2004年までの間に6症例を報告しています。この6例はいずれもインスリン治療者であり、糖尿病の罹患期間が15~25年と長く、増殖網膜症や腎症、腎不全などの糖尿病の晩期血管合併症が認められていたことがわかっています。

皮膚感染症

人間には体内に侵入しようとする細菌やウイルスと戦うための機能が常に備わっています。これを感染防御機構といいます。しかし、糖尿病を発症すると感染防御機構が簡単に破綻してしまうのです。

したがって、糖尿病患者は皮膚感染症を起こしやすくなります。

皮膚感染症の原因

糖尿病を発症すると皮膚感染症を起こしやすくなるのは以下の原因によると考えられています。

・血糖値が高くなり好中球の機能が低下する
・免疫反応が低下する
・血流が悪くなり薬の効果が弱くなる
・神経障害が感染・悪化につながる
・血糖値がより上昇し糖尿病の状態を悪化させ感染症を進行させる

好中球とは白血球の成分の1つで、体内に侵入したウイルスや細菌を取り囲み、食べてしまう働きがあります。これを貪食機能といいます。しかし、高血糖状態が続くと好中球による貪食機能が低下してしまいます。

一方、免疫反応は、一度ある病原体に感染したあと、その病原体に対する抗体が作られることで同じ病原体が体内に侵入することを防ぐことをいいます。高血糖状態が続くと、この免疫反応も低下してしまいます。

また、高血糖状態が続くと血管が傷つき、血流が悪くなります。そのため、血液中の酸素や栄養が細部まで行き渡りにくくなり、白血球や薬の効果が発揮できなくなります。さらに、糖尿病によって神経障害があると、痛みや熱さに鈍感になるため、傷があることに気付きにくくなるため、症状を悪化させてしまいます。

また、感染症を発症するとサイトカインなどのインスリンの働きを弱める物質が増えるため、血糖値が上がり、ますます感染症が治りにくくなってしまうのです。

皮膚感染症の主な症状

糖尿病による皮膚感染症の主な症状には以下のようなものがあります。

・水虫やカンジダ症
・皮膚のただれ
・帯状疱疹
・かゆみ
・痛み
・口内炎 など

【小水疱型の水虫】

 

 

 

 

 

 

 

 

引用元:「Medical Note

 

 

 

 

 

 

 

引用元:境感染誌Vol.32 no.6,2017「糖尿病に伴う皮膚感染症と足病変

皮膚感染症の症状例

糖尿病ではカンジダ症や白癬(水虫)などの症状が全身で起こりやすくなります。特に陰部や唇など皮膚が薄い部分に症状が出やすい傾向があります。

糖尿病患者の足に水虫ができると、潰瘍へと進行してしまい壊疽につながることもあります。これは、糖尿病を発症すると抵抗力や免疫機能が低下してしまうため、感染症を起こしやすく、重症化してしまうのです。

皮膚病変に関する検査

糖尿病皮膚病変では状況によって以下のような検査を行うことがあります。糖尿病皮膚病変は神経障害によって起こるケースもあるため、自律神経や感覚神経などを見る検査を行い、総合的に判断することもあります。

・神経:糖尿病神経障害の検査
・腱反射テスト
・振動覚検査
・知覚検査
・神経伝導検査
・心拍変動検査
・足:糖尿病性足病変の検査(皮膚観察など)
・足の血圧測定

皮膚病変の予防対策方法

糖尿病による皮膚病変は予防が重要になります。糖尿病皮膚病変を予防するには以下のポイントを押さえて行うことが大切です。

・毎日皮膚をチェックする
・足が濡れたら乾燥させる
・保湿して乾燥対策を行う
・低温やけどに注意する

このほか、靴を履くときだけでなく室内にいるときも靴下を履くのも重要です。靴下を履くことで水虫や靴擦れを防ぎ、足を守る効果があります。靴下を選ぶときは綿などの通気性の良い素材を選ぶことも大切です。

また爪が長すぎるとケガをする危険性があるため、こまめに爪を切ることも重要です。爪を切るときはやすりをかけ、深爪にならないように注意しましょう。

低温やけどは、体温より少し高い温度に長時間触れ続けることで起きるやけどのことです。低温やけどはこたつやカイロ、電気カーペットなど身近な暖房器具で起こることがほとんどです。

これは熱さに対する感覚が低下してしまうことで起こると考えられています。特に貼り付けるタイプのカイロや靴のなかに入れるカイロは使用しないようにしましょう。

まとめ

糖尿病によって引き起こされる湿疹の特徴や予防法について説明しました。

糖尿病を発症すると抵抗力が落ちるだけでなく、神経障害があるとケガややけどに気付きにくいため、傷があっても放置してしまうことがあります。特に足は意識しないと見ることがほとんどないため、気がついたときには悪化していることも多いです。

日頃から皮膚をチェックし、異常があったらすぐに医師の診察を受けることが大切です。

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