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1型糖尿病と遺伝の関係|子供への影響や寿命について解説

1型糖尿病と遺伝の関係|子供への影響や寿命について解説

糖尿病は発症原因によって1型糖尿病と2型糖尿病に大別されます。2型糖尿病は年齢や生活習慣、遺伝によって発症するといわれていますが、1型糖尿病は発症原因などわからないことが多い病気です。それだけに1型糖尿病と診断された方は「子供に遺伝するのではないか」と悩むことも多いようです。

この記事では1型糖尿病と遺伝との関係性や治療法について解説します。

1型糖尿病とは

1型糖尿病の発症原因は詳しくはわかっていませんが、免疫の異常によって自分のリンパ球がすい臓の膵島(ランゲルハンス島ともいう)にあるβ細胞を破壊してしまうことが原因といわれています。

通常、食事を摂るとすい臓のβ細胞からインスリンが分泌されて血糖値が下がりますが、1型糖尿病患者はβ細胞が破壊されてしまうため、体内でほとんど、あるいは全くインスリンを作ることができません。

過去のウイルス感染によってリンパ球が内乱を起こすことも1型糖尿病発症の引き金になるともいわれていますが、あくまで1型糖尿病は自己免疫系の病気であって感染症ではないため、他人にうつるものではありません。

1型糖尿病の原因と遺伝

1型糖尿病は他人にうつるものではありません。しかし、なぜ1型糖尿病を発症するのか、遺伝性があるのかといったことは気になりますよね。

1型糖尿病の発症原因と遺伝について、以下の項目にわけて詳しく見ていきます。

・1型糖尿病とHLA遺伝子
・1型糖尿病は遺伝するのか

1型糖尿病とHLA遺伝子

身体の免疫系が病原体などに対して防御反応を行うためには、自分の体の組織や器官と体の外から入ってくる異物を区別し、見分けなければなりません。この役割を担っているのがHLA(ヒト白血球抗原)です。

1型糖尿病は自己免疫によってインスリンを分泌するすい臓のβ細胞を攻撃することで発症しますが、特定のHLA遺伝子型を持つことで1型糖尿病の発症率が高くなることが報告されています。

2014年、東京大学の研究グループは、1型糖尿病の発症しやすさに関与するHLA遺伝子型が、著しく安定性の低いHLAたんぱく質を作り出すこと、反対に1型糖尿病の発症しにくさに関連するHLA遺伝子型は安定性の高いHLAたんぱく質を作ることを発表しています。

これによってHLAたんぱく質の安定性と1型糖尿病の発症に関係性があるという可能性を導き出したことになります。

1型糖尿病は遺伝するのか

1型糖尿病は不明な点が多い病気ではありますが、同じ家族のなかで何人も1型糖尿病を発症するということはほとんどありません。一方、1型糖尿病より2型糖尿病のほうが遺伝する可能性が高いことがわかっています。

2型糖尿病は遺伝リスクが高いといっても、糖尿病という病気そのものが遺伝するわけではなく、「2型糖尿病になりやすい体質」が遺伝することになります。この「糖尿病になりやすい体質」に加えて以下のような環境要因が組み合わさることで2型糖尿病を発症するといわれています。

・食べ過ぎ
・運動不足
・肥満
・加齢
・ストレス
・感染症
・酒・たばこなどの嗜好品

1型糖尿病患者の寿命

2015年のスコットランドのダンディー大学の報告によると、20代前半で1型糖尿病を発症した場合、健常者と比べて予想される平均余命は男性で11.1年、女性で12.9年短いことがわかりました。

このように、1型糖尿病患者は健常者と比較して寿命が短くなる傾向があります。ただし、1975年の調査では1型糖尿病患者の寿命は健常者より27年短いとされていたため、この40年で大きく改善されたことになります。

なお、1型糖尿病を発症した場合の死亡原因としては以下のものが多く報告されています。

・心筋梗塞
・糖尿病性腎症

1型糖尿病の治療

1型糖尿病患者はインスリンをほとんど分泌できないため、体の外からインスリンを補充し続けるしかありません。これは1型糖尿病が血糖値を下げる働きのあるインスリンを分泌する膵島細胞の機能不全が本質的な原因だからです。

一方、最近の研究では膵島移植によって1型糖尿病の治療に期待が持てる結果が報告されています。以下の項目について詳しく説明していきます。

・1型糖尿病の最新治療
・1型糖尿病の治療例

1型糖尿病の最新治療

最新の研究によると、ヒトからの膵島移植によって1型糖尿病を治る病気にできるという期待が高まっています。しかし、ヒトによる臓器提供は数に限りがあります。膵島移植を一般医療とするためにも、ブタの膵島などヒトの臓器に頼らない移植方法が注目されています。

1型糖尿病の治療例

現在の膵島移植法は、脳死ドナーのすい臓から膵島細胞を分離して肝臓近くの血管に移植します。しかし、肝臓に移植できる細胞の量には限界があり、出血や合併症のリスクもあります。また、移植後は新しい膵島細胞を休ませるためにも、しばらくの間インスリン注射を行わなければなりません。

最近の研究で、1型糖尿病患者の腹膜の一部(大綱)にインスリン産生膵島細胞を移植することで予想よりも早くインスリンを産生し、分泌され始めたことが報告されています。さらに、膵島移植から1年経過後もインスリン注射をしなくても合併症などを起こすことなく、状態が良好に保たれていることも報告されています。

1型糖尿病のプロスポーツ選手

1型糖尿病は新しい治療法の研究が進んでいますが、現在はインスリン注射を行うことが治療の基本です。また、2型糖尿病と異なり、若い人でも発症することがあるため、夢をあきらめたり、悲観的になることもあるかもしれません。

しかし、1型糖尿病と戦いながらも夢を叶え、活躍している人もたくさんいます。

・岩田 稔 / プロ野球選手(阪神タイガース)
・大村 詠一 / 元エアロビック競技 日本代表
・杉山新 / 元Jリーガー
・ナチョ(ホセ・イグナシオ・フェルナンデス・イグレシアス) / プロサッカー選手(レアル・マドリード)

上記の4人のスポーツ選手(引退した人も含む)は、いずれも8~23歳で1型糖尿病を発症しています。特に阪神タイガースで活躍中の岩田選手は高校時代に1型糖尿病発症して企業からの内定を取り消されています。しかし、岩田選手は大学に進学して野球を続け、スカウトから評価されたことで阪神タイガースに入団し、現在も活躍を続けています。

杉山新選手はヴァンフォーレ甲府に移籍後、23歳で1型糖尿病を発症し、戦力外通告を受けてしまいます。しかし、自らテストを受けることで翌年以降もプレーすることになり、34歳まで現役でプレーを続けました。

まとめ

1型糖尿病の原因や遺伝との関係性、最新の治療法について説明しました。1型糖尿病は体の外から注射によってインスリンを補充するのが治療の基本です。しかし、最近は膵島移植など新しい治療法についても研究が進んでいます。

1型糖尿病は若い人でも発症することがあるため、将来を悲観したり、夢をあきらめそうになることがあるかもしれません。しかし、1型糖尿病の治療を続けながらも現役で活躍し続けている方もたくさんいます。

「病気だから」とやりたいことをあきらめるのではなく、どうすればできるようになるかを考え、前向きに治療に取り組むことが大切です。

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