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70代女性 脳梗塞と脊髄損傷後の後遺症に幹細胞治療

尿が1時間おきに行かなくてはいけない。下肢の痙攣。呂律困難が軽度あ

10年以上も前に胸椎の圧迫骨折による脊髄の損傷を起こし、その後すぐに骨折した胸椎を固定して脊髄神経の圧迫を取り除くという脊椎固定術を行いました。脊髄損傷を起こした後は下肢の力がほとんどなくなり立つことも出来ませんでした。幸い早くに手術をしたのが功を奏して、下肢の力も徐々に回復されその後のリハビリで歩行も可能となりました。下肢の力も脊髄損傷以前まで回復できました。しかし、夜になると下肢の痙攣が起こりしばらく止まらないといった症状があり、また、尿の感覚が短くなり1時間おきにトイレに行かないといけない症状も残りました。

脊髄損傷は脊髄の損傷する場所によって様々な機能障害が生じます。上肢や下肢の運動障害や感覚麻痺などの他に膀胱障害といって、排尿の回数が増えたり、尿が出にくくなったりもします。この方の場合は、尿の回数が多くなり夜間も1時間おきにトイレに行く状態でありました。また、下肢の痙攣は脊髄損傷により下肢につながる神経に損傷を受けた後、回復はしたものの少し中途半端な回復で止まってしまい、痙攣という症状が現れています。神経は一度損傷するとなかなか元の通り回復するのが困難で、筋力が戻らなかったり、痺れが残ったり、痙攣が発症したりすることもよくあります。

さらに、この方は数年前に脳梗塞を発症しました。幸い大きな麻痺は残らなかったが、少し呂律が困難となり時々眩暈のような症状が残りました。そして、最近にも脳梗塞の再発で脳幹部に梗塞ができました。この時も大きな後遺症は残らなかったのが幸いでした。

このように、脳梗塞などの脳卒中の厄介なところは、もちろん、麻痺もそうですが脳梗塞の再発の可能性が高いということです。脳梗塞は初めは軽症でも、再発が重なるたびに症状が深刻化し、重度の後遺症が起きやすくなります。たとえ完治したとしても、その内の20~30%の人が3年以内に再発すると言われています。

幹細胞投与して1日目から変化が!

この方は幹細胞治療を3回行う予定ですが、なんと1回目の幹細胞投与から症状の改善が見られました。まず、幹細胞を投与する前に四肢の筋力のチェックを行います。左の腕を横に上げる動作、つまり肩関節の外転動作ですが、これが正常よりも3割ほどの筋力ダウンしていました。そして、左足の第1指を上に上げる動作も正常より3割ほどダウンしていました。

そして1回目の幹細胞を投与して1時間後の筋力の再検査してみると、腕の筋肉も足の指の筋肉も正常の筋力に戻っていました。そんなに早く効くの?と思われますが、脳梗塞や脊髄損傷といった神経損傷において、幹細胞を投与してすぐに効果が現れることがよくあります。もちろん、その後のリハビリで筋力つけてあげれば、確実に麻痺していた機能は改善されるでしょう。もちろん個人差はあります。

尿の回数が減った!痙攣もかなり軽減した!

幹細胞を投与して、その夜ですがトイレに行く回数が半分以下になったと喜ばれていました。脊髄損傷の後遺症である膀胱機能が戻ってきたのでしょう。そして、毎晩下肢の痙攣で困っていた症状ですが、幹細胞を投与して1日目でかなり改善、そして2日目で全く痙攣が起きなくなったとのことです。これも、下肢に行く神経の損傷が回復してきたのでしょう。

幹細胞を投与する前は、何年もの間毎晩、トイレの数と下肢の痙攣で熟睡ができなかったのですが、たった1回の幹細胞の投与で改善されました。今の時点では、幹細胞投与1回目からまだ数日しか経過しておりません。今後、数週間、数ヶ月経つとさらに尿の回数やめまい、呂律の機能などが改善する症状が出てくると思われます。

この方は、幹細胞を投与した次の日に尿と下肢の痙攣の改善が見られ熟睡できた!と喜びの電話をいただきました。再生医療に出会う前のその当時の医療では脳梗塞や脊髄損傷の患者さんに対して、筋力トレーニング等による現状維持しか治療方法がありませんでした。その当時私はこの人達に、これ以上何もしてあげられないというなんとも歯痒い気持ちでいっぱいでした。しかし再生医療が現実となり、以前の医療でできなかった治療ができるようになり、毎回、治療のたびに幹細胞の力と可能性に驚かされるばかりです。

ポイントは脂肪由来幹細胞と冷凍せず幹細胞を投与できること

再生医療といっても、実は色々な方法があります。まず、幹細胞が脂肪から作られるのか、骨髄から作られるのか。以前は骨髄から幹細胞を培養することが多かったのですが、近年、脂肪からの幹細胞の培養が主流となっています。実際文献でも、骨髄由来よりも脂肪由来の幹細胞の方が脳卒中や脊髄損傷の回復には優れているという報告が多く見られます。

そして、大事なことはその幹細胞の数とその幹細胞が生き生きしているかどうかです。投与する幹細胞の数は約1億〜1.5億となります。これより少なくてはあまり効果はありません。また、これより多いからといっていいわけではありません。この1億〜1.5億の幹細胞を数回投与する方が効率的であります。

もう一つとても大事なことですが、幹細胞を冷凍せずに投与しているかどうかです。冷凍していないのと、冷凍している同じ1億の幹細胞を投与して比較したとしましょう。冷凍していると解凍時には半分以上の幹細胞が死んでしまっていますし残りの幹細胞も元気がありません。やはり冷凍していない生きたままの幹細胞の方が断然に効果があります。日本でも冷凍せずに投与できる細胞加工室はほとんどありませんが、当院はその細胞加工室と提携しており、生きた状態の幹細胞を投与することができます。これは、当院での関節の幹細胞治療でも明らかに差が認められています。

幹細胞投与後のリハビリも大切

当院では、幹細胞を投与した後のリハビリの指導も行なっております。幹細胞で修復及び再生された神経で筋肉が機能していきますが、専門性の高いリハビリによりその機能の改善の効果を高めます。また理学療法士、作業療法士、柔道整復師、スポーツトレーナーによる往診にも対応しています。

 

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監修:院長 坂本貞範

 

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